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2024.02.03

ドキッ‼️ まさかだらけの心臓病闘病体験記(第1話:ドクターコールは突然に)

文:清水 里華

2024年1月30日(火)

それは、自宅で仕事中の午前9時半のこと。携帯に着信。知らない番号。恐る恐る出てみたところ、1月26日に人間ドックを受けた病院ではないか。どきり。

なんでも、「心電図の異常が発覚」とのことで、心電図と報告書をレターパックで送るので、近所の循環器内科ですぐに診てもらうように、とわざわざ連絡いただいたのであった。むーなにごとか。

確かに最近、動悸がやたら気になるし、夜中うとうとしかけたころにApple Watchが「おいお前!いま1分間37拍の低心拍だよ!起きろや!」ってしょっちゅう叩き起こしてくるし、なんかありそうだなぁ、とは思ってた。

2024年1月31日(水)

待てど暮らせど、不吉なレターパックは届かない。痺れを切らしたころ、ようやく夕方に診断書が届き、はやる気持ちを抑えつつ開いてみる。すると心電図や診断書には、「完全房室ブロック」「PR延長」「過度な徐脈」などの文字が躍っている。なんのこっちゃ。日本語プリーズ。

ひとまず、近所の循環器内科がまだ診察受付していたので、早速、その診断書を持ち込んでみた。

診察室に呼ばれるや否や、いきなり

「これは、ペースメーカーだな」

と苦い顔をした医師に言い放たれ、
あまりの内容にポカンである。

はい?
何ですと?
ペースメーカーってあんた、
第一級身体障害に該当するあれですか?
それを、このピンピンしてるわたしに?

話を伺ってみると、
実は去年も兆候があったらしいが、
この一年で悪化しているそうだ。
そして、極めつけにはこのひとこと。

「いつ死んでもおかしくない状態だよ」

マジかよ。

こちとら、ライヴもランニングも普通にやってたし、なんなら1月は過去1のスピードで月間230kmランニングできてたよ。などと食い下がるも、

「いやいや、こんなんじゃろくに仕事にならないし、そもそも走れるわけがない。」

ズガーン。そうだったんすか?自分、無邪気に命知らずの自殺行為をしてたんすか?

そして、明朝に近所の大学病院「八王子医療センター」へ行くように進言されたのであった。うーむ。これはどうやらガチっぽい。

しかし、ペースメーカーとは大げさな、と思い、念のため先生に聞いてみた。

「一生つけてなきゃダメなんですか?」

「そうだね。でも6〜7年で電池交換するくらいで、あとは普通に暮らせるから」

ほぉん。医療の進歩はすごいんだなぁ。


…いや、感心している場合ではない。明日は納品に向けたTVCMの最終チェックとナレーション録りの予定があってですね、クリエイティブディレクターとしての務めを果たす責務が、などとゴネまくっていったん持ち帰ることとし、すかさず夫に報告。

すると、9歳年下だというのに時々ジジイみたいな冷静さを発揮する夫に「それどころじゃないだろ」と冷静に諭され、翌朝に大学病院へ行くことに。

2024年2月1日(木)

朝イチで、夫と徒歩で30分程の場所にある「東京医科大学 八王子医療センター」の循環器外来へ。
(ちなみに高尾駅からはわずかバス6分。ムダに身体を動かしがちな性分なもので)

二人で帰りに焼肉ランチを食べようぜなどと軽口を叩きながらも、

「入院かなあ。手術かなあ。2/12と2/16のライヴはあきらめた方がいいんだろうか。みんなに迷惑かけちゃうな」

などの重たーい思いが胸を去来する。


大学病院の外来窓口は、朝から高齢者がわっさり、てんやわんやの大混雑。ようやく14時ごろに心電図、心エコーの結果が出て、医師の診断を受ける。

案の定、症状は「完全房室ブロック」で、今後の心臓の精密検査次第ではあるが、ペースメーカー植え込みは免れないそうだ。

しかも、このまま帰宅させるのもあれこれ不安だとの医師の判断により、その場で今日から検査入院することに。

まさかまさかの急展開である。

こんな時こそ、中途半端になってたVIO脱毛をコンプしとくべきだったと後悔するも、いまや遅し。


その後、怒涛の勢いで血液検査9本、PCR検査、インフルエンザ検査、尿検査、レントゲン検査を行い、入院の手続きをしてから院内のコンビニで充電ケーブル類やら歯ブラシやらをわーっと買い揃えていざ病室へ。こちとら、入院などしたことがないため、まったく勝手がわからない。

6人部屋であったが、みなカーテンをピシッと締め切ってて、「あー、どうもお邪魔しますよ、するとおたくさまはペースメーカーで?」などのアイスブレイク的な会話も一切なく、そそくさとレンタルパジャマに着替えて、ちんまりとベッドの隅に腰掛けるしかできない、ただの指示待ち野郎の完成である。

そして、24時間ハートモニタをペタペタと装着され、1日中付き添いしてくれた夫と別れたあとは、メールで会社や取引先などの関係各位に急ぎ連絡。ひとまず、仕事と家事を忘れてゆっくりさせてもらいますー。

夜は初の病院食。薄味だけど、お野菜たっぷりで全然美味しい。ありがたい。そして21時に消灯。つっても、あれこれ考えちゃっておちおち寝てらんないよね。

夜/400kcal
かれいの煮付け、オクラ、キャベツとねぎのコールスロー、かまぼことエビの茶碗蒸し

2024年2月2日(金)

今日は心臓のMRI検査。途中で造影剤を注射しながら、60分近くかけてしっかり診てもらいました。結果はいかに。

高額医療費の支払いに備えて、カードの一回利用限度額を500万円に引き上げとく。(うひひ。カードポイント大量ゲットだぜ)

しかし明け方からガタガタうるさい病室。なにしとんねん。ノイキャンヘッドホン欲しい。おまけに乾燥で喉がめっちゃ痛い。

夕方、夫が仕事の合間を縫って、家からあれこれ背負ってお見舞いに来てくれる。本当に助かるよ。

朝/420kcal
バナナ、パン1枚、目玉焼き、ゆでコーンとキャベツ、牛乳

昼/400kcal
ハンバーグきのこソース、青菜としらたきとじゃこの和物、レタスとカニカマときゅうりのサラダ

夜/400kcal
茹で豚と茹でもやしと小松菜、玉ねぎとにんじんのコンソメスープ、きぬさやと油揚げの胡麻和え


果たしてこの後、精密検査の結果はどうなるのか。どんな闘病体験が待っているのか。第2話に続く。

PROFILE

清水 里華(シミズ リカ)

都内の広告会社に勤めるクリエイティブディレクター兼コピーライター。
ときには、戦慄のオルタナティヴロックバンド「Very Ape」でドラムを叩き、ときには、WEBメディア「FREEZINE」で企画+取材+構成+イラストを担当。

Very Ape

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