COLUMN

2020.03.29

「コピーライター、ケーキをつくる。」 by 清水 里華 第2回/「困った」のそばにヒントあり。

「そうだ、新規事業だ。クリエイティブの力でなにかしら社会に素敵な化学変化を起こしてやろう。」

と思い立ち、小躍りしかけた2017年のわたし。
しかし、はたと立ち止まる。

「でも、一体、何を、どうやって?」

新規事業と一口にいっても、とっかかりがなさすぎる。
ここで、裏話をおひとつ。

ちょうどそのころ、恥ずかしながらわたしは「中小企業診断士」(経営コンサルタント)という国家資格取得に向けて5年近い歳月を勉学に費やしておりました。
結果はといえば、二次試験に4回敗退して断念(涙)。

で、その診断士の業務範囲には「起業支援」も含まれていたため、さまざまなスタートアップ支援事業の資料を大量に読み漁っておったのです。
それに加え、起業のヒントになる文献なども手当たり次第読み漁った結果、揺るぐことのない鉄則に立ち戻ったのであります。

人の「困った」のそばに、アイデアのヒントあり。

広告制作だって、もとはクライアント企業の「課題解決」のひとつ。
困っている人の課題をクリエイティブの力で解決できるような新しいビジネスをつくればよいのでは?

上記のスコープを定めた上で、再びいろんな書物を漁ってみましたところ、「障がい者の就労支援施設における賃金アップ」という社会課題が存在していることを知りました。

これや。これならクリエイティブの力と、コンサルくずれの知識を掛け合わせて、なにかお手伝いができるかもしれない。

しかし、そのときのわたしは知る由もなかったのです。一介のコピーライターが新規ビジネスを起こすまでには、その先に茨の道が待っているということを。

(次号に続く)

PROFILE

清水 里華(シミズ リカ)

都内の広告会社に勤めるクリエイティブディレクター兼コピーライター。
ときには、戦慄のオルタナティヴロックバンド「Very Ape」でドラムを叩き、ときには、WEBメディア「FREEZINE」で企画+取材+構成+イラストを担当。
2019年より、クリエイティブの力で社会課題に挑む新規事業「Lashisa(らしさ)」を立ち上げ、手探りで運営している。

Very Ape

Lashisa

Lashisa(らしさ)とは?

クリエイティブの力で、もっと社会にしあわせをーーー。

「Lashisa(らしさ)」は、障がい者の社会参加を支援する就労支援施設における賃金アップという社会課題を解決するために、広告会社「原宿サン・アド」が立ち上げた新規事業です。
一般社団法人「日本スイーツ協会」の代表理事である辻󠄀口博啓氏の監修のもと、糖質オフ&グルテンフリーなプレミアムスイーツを開発し、渋谷区の就労継続支援A型の施設「渋谷まる福」に製造委託。
原宿サン・アドのクリエーターが手がけるパッケージとECサイトで販売いたします。
高付加価値な製品の開発・販売を通じて、就労支援施設の賃金アップに貢献します。 

「Lashisa」ECサイト