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2022.02.08

40歳までにやりたいこと①

文:Ape

FREEZINE運営メンバーのApeです。
ギリ東京都の高尾という場所に住んでおります。高尾山の近くです。
僕は自営の在宅ワーカーで、アパレル関連のECサイト運営などを行っておりますが、それとは別に大して金にもならないバンド活動に命を燃やしたりもしております。

下記の写真がそのバンド活動に勤しむ僕の姿です。
自身がリーダーを務めるVery Apeというバンドは結成からもう20年以上も活動しております。
あ、写真はFREEZINE運営メンバーのmiNamiちゃんに撮ってもらいました。

僕は現在38歳で、来週には誕生日を迎えて39歳になろうとしています。40歳目前。節目となる40歳を迎えるにあたって、30代のうちに何かやり残したことは無いだろうか。元より何か実現したかったことは無かっただろうか。
そんなことを考えるうちに、眠れずに朝が来て、そのまま勢いでこの記事を書いております。

30歳目前に掲げていた目標を振り返る

実は10年ぐらい前にも同じようなことを考えたことがあります。
節目となる30歳を迎えるにあたって、20代のうちに何かやり残したことは無いか。やっておきたいことは無いか。

その時に出した答え、目標は富士山登頂フルマラソンの2つでした。

元々僕は運動が好きではなく、むしろ20代中盤ぐらいまでは爽やかに汗を流すスポーツマンを冷ややかな目で見たりしておりました。それは、ロックンローラーは不健康であるべきという偏った常識がいつの間にか自分の中に植え付けられていたからで、それでもそんな目標を掲げてしまったのはきっと、当時は富士登山もフルマラソンも運動とは認識していなかったからだと思うのです。
運動というより、限界への挑戦とか、攻略し甲斐のあるゲームのような感覚で捉えており、僕がそんな大それた目標をブチ立てて、大したトレーニングもせずにクリアしたら多分みんな笑うだろうなあとか、そんな軽いノリで考えていたような気がします。

2011年8月 富士山登頂

当時28歳でした。
子供の頃に学校行事で軽めの登山をしたことはありましたが、大人になってから、自発的に登山をしたのはこれが初めて。

事前にネットで色々調べてみると、あまり舐めてかかるとヤバいかもということに気付き、登山靴をはじめとした装備一式を慌てて揃え、「こんなもん本当にいるか?」と思いつつ酸素缶なども念のため購入し、当日夜に都内を出発して深夜に富士山の五合目に到着すると、そのまま山小屋で宿泊・休憩せずに登る、いわゆる弾丸登山を決行しました。

僕たちは全員初めての富士登山。全員素人の男女5人のチームでした。
せっかく富士山に登るなら山頂でご来光を拝みたいよね、なんて話していたけども、結局僕らが日の出を迎えたのは八合目でした。しかもそこで、「辛いからもうここから下山する!」と泣きだすメンバーが現れる始末。
まあでも、なんとかそれを励ましたりして、皆で頑張って山頂まで行こうぜってことになったのですが、今度は高山病的な症状を訴える別のメンバーが現れ、そこで僕の酸素缶が大活躍したり、死んだような表情のメンバーの荷物を他の誰かが代わりに持ってあげたり、色んな苦難があったけれども、それを皆で力を合わせて乗り越えて、僕らはなんとか山頂まで辿り着くことが出来たのです。

山頂でテンションが上がり、思わずおにぎりで乾杯してしまう僕ら。

なんにせよ、登頂成功した瞬間の達成感は言葉に出来ないほど素晴らしかったし、ご来光はこの世の物とは思えないほど神秘的で美しいし、登山道のあの殺風景でゴツゴツした感じもなんかたまらんのです。

結局それで病みつきになってしまった僕はその翌年に、今度は妻と2人で富士山を訪れました。
妻はワンダーフォーゲル部出身の健脚なので、この時は余裕で山頂からご来光を拝めましたし、下山するまでの時間が予定よりも4~5時間ほど早く、予約していた帰りのバスが来るまで五合目で寒さに震えながらKappaのロゴみたいに背中と背中で体を支え合いながら眠る羽目になりました。あの時の地獄のような時間も今となっては良い思い出です。

2012年11月 フルマラソン

当時29歳でした。
僕は「第1回富士山マラソン」という河口湖周辺で行われる大規模なマラソン大会に参加し、人生初のフルマラソンに挑戦したのです。

いやしかし、高校生の頃の僕に「君は将来フルマラソンに挑戦するんだよ」なんて言ったら鼻で笑うでしょうね。あの頃の僕は学校行事のマラソン大会のコース付近に逃走用の自転車を用意しておいて、クラスメイトたちが一生懸命走っている間中ずっとゲーセンやカラオケで遊んでいるようなヤツでしたから。

しかし、そんな僕も20代中盤で初めて就職をし、IT系ベンチャー企業で働くようになると、ビジネスの分野で活躍する格好良い大人たちをたくさん目にするようになり、徐々に意識が変わっていきました。
彼らは人生をより良くするために、日頃から食事や運動に気を配ったりと非常に健康への意識が高かったのです。そんな彼らを見て、僕は以前だったら断ったであろうフットサルの誘いなどにもちょくちょく顔を出すようになり、体を動かすのも悪くないもんだなあなんて、ちょっとだけ思うようになっていきました。

マラソン大会に参加したのも、そもそもは友人に誘われたことがきっかけでした。実は最初からフルマラソンにチャレンジした訳ではなくて、その2年前に一度別の大会で27kmほど走ったことがあったのです。2010年11月、僕が27歳の時の話です。
当時一緒にDJイヴェントをやっていた友人界隈で、みんなでマラソン大会に出ようという話で盛り上がって、前出の「富士山マラソン」の前身である「第35回 河口湖日刊スポーツマラソン」という大会に参加することになりました。
最初は何となくマラソンに良いイメージが無くてあまり乗り気ではなかったのですが、前乗りして宿でみんなで酒盛りしようぜとか、翌日走り終わったら温泉に入ろうぜとか、そんな話が挙がっていたので単純に旅行として楽しそうだなと思い、まあそれならと僕は冗談半分で参加することにしました。
ただ、日頃から走り込んでいない自分には流石にフルは無理だろうと思い、この時は河口湖1周コース(約27km)を選択しました。
僕はその大会に参加することが決まってから人生で初めてランニングシューズを購入し、たまにちょろっと近所を走ったりして当日を迎えた訳ですが、それでもなんとか制限時間内にゴールすることが出来たのです。多少歩いたりしながらではありますが。

マラソン大会というものが最高なのか、この大会が特別最高なのかは分かりませんが、走りながら見た河口湖や富士山の雄大な景色が美しかったり、フラフラになりながら頑張るおじいちゃんランナーの後ろ姿に勇気をもらったり、沿道で応援してくれる地元の方々のおかげで実力以上の力が発揮出来たり、ゴールした後に振舞われた豚汁が最高に美味しかったり、温泉に浸かった瞬間変な喘ぎ声が出たり、帰りのファミレスで食べた普通のご飯がメチャクチャ美味しかったり、そして何より自分のようにスポーツが得意ではない人間でも、諦めずに歯を食いしばって足を動かし続ければ最後はゴールに辿り着けるのだと。この成功体験は非常に大きかったです。友人が運転する帰りの車の中で既に「今度はフルマラソンに挑戦してやろう!」と僕の心は静かに燃えていました。

そして満を持してフルマラソン挑戦!足の激痛と闘いながらなんとかゴール!

そしてその2年後の2012年11月、いよいよフルマラソンに挑戦することとなり、これもなんとか制限時間内に無事ゴールすることが出来ました。感想としては、とにかく足が痛くて辛かった。これに尽きます。
30kmを超えたぐらいの地点を半泣きになりながら歩いたり走ったりしていると、前を行くおじさんの背中に大きな筆文字で「我慢」と書かれていて、それを見て「うるせーな!」とハラワタが煮えくり返ってしまうぐらいメンタル的にもやられていました。
しかし37kmほど行ったところに、画像の有森裕子選手によるメッセージが書かれた看板があって「ああ、あと5kmほど頑張ればゴールできるんだ……。」と思って、ここで妙にファイトが湧いてきたことを憶えています。ここからゴールに向かうに連れ、沿道で声援を送ってくれる方の数もどんどん増えていくので、その声にもパワーをもらって最後の5kmは結構なスピードで走りきることが出来ました。
この時、マラソン大会ってなんかライヴみたいだなと思いました。ライヴでお客さんの歓声に煽られて自分の力がブーストされる、あのアドレナリンが出まくる感じと非常によく似ていると思うんです。だから、マラソンジャンキーみたいな人たちが存在する理由も僕には理解できます。

と、そんなこんなで僕が20代の時に掲げた半ばふざけたような目標は、上記の通り30歳までにきちんと達成することが出来まして、そしてそのどちらもその後の自分の人生に良い影響をもたらしてくれました。
現在高尾で暮らしているのも、この時の富士登山がきっかけであることは間違いありません。

次回は、これらの経験を踏まえて自分が40歳までにやること、30代のうちにやっておきたいことを具体的に洗い出してみたいと思います。
そしてその中のいくつかは、今後FREEZINEで記事として経過報告していければと考えております。

Ape

PROFILE

Ape(エイプ)

戦慄のオルタナティヴロックバンドVery Apeのヴォーカル兼ベース。
mizuirono_inu、ロザンナ、バイドク等のバンドのサポートベースもたまに。
生業はECサイト運営、プリンタブルTシャツ卸売など。
AprilFool主宰。FREEZINE運営メンバー。

Very Apeサイト

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