COLUMN

2020.02.11

「よく描き、たまに書く」by kubo 第16回/【ツール紹介】リファレンス画像特化「PureRef」イラストレーターや3Dモデラーに。

こんにちは、凹(kubo)です。
フリーランスのイラストレーターです。

前回のコラム「子どもと大人の隙間」に予想外の反響をいただいて驚いています。
ずっとぼんやりと心の底に持っていた考えを、初めてしっかりと言葉に落とし込んだのですが、やってみてよかったです。
ありがとうございます。

さて、前回ちょっと真面目な話をしたので、今回はライトなお話を。
またまた便利ソフトのご紹介です。

「リファレンス特化」の画像ビューワー「Pureref」

イラストレーターや3Dモデラーさんなど「グラフィック」を扱う方の多くは、たくさんの資料画像を集めてそれらと睨めっこしながら制作をすると思います。
今回ご紹介するのは、そんな方にぜひ試してもらいたい「リファレンス特化の画像ビューワー」です。
WindowsでもMacでもLinuxでも使えますよ。

Pureref
https://www.pureref.com/

単に資料画像を見ながら作業したいだけなら、PCに標準で備わっているビューワーでいいじゃないか、と思うかもしれませんが。
これがなかなか便利なので、ぜひ一度触ってみていただきたいです。

ドラッグ&ドロップでどんどん放り込むだけ

ソフトを立ち上げると、以下のようなウィンドウが立ち上がります。
初期設定で「常に最前面に表示」状態になっているので、この状態で他のソフトを触っても隠れてしまうことはありません。

使い方は簡単で、ここに画像をどんどんドラッグ&ドロップしていくだけ。
自分のPC内の画像はもちろん、ブラウザなどから直接ドロップも、スクリーンショット→コピー&ペーストも可能です。
ちなみに、Pinterestのデスクトップアプリからもいけました(すこし挙動が怪しい部分もありますが)。

もちろん保存も可能。「.pur」という独自フォーマットのファイルで保存されます。
「取り組んでいる絵別」や「テーマ別」など、自分の使いやすい形で管理するといいでしょう。
ちなみに.purファイルを複数同時に開くことも可能ですが、わりとファイルサイズが大きいのでスペック次第では動作が重くなるかもしれません。

大量の画像ファイルを、各縮率や角度、位置まで記憶しているわけなので、ここはしかたありませんね。

整列・反転・回転などかゆいところに手が届くショートカット

放り込んだ資料画像は「Ctrl+A(すべて選択)」→「Ctrl+P」で、画像のように一瞬で整列できます。
私はあまり使いませんが(デスクの上に資料を散らかしながら作業しているような感覚が好きなので)、あると便利な機能ですね。

他にも、拡大縮小やトリミングといった基本的な操作はもちろん、反転・グレースケール化・トリミングを伴わない1度刻みのシームレスな回転など、痒いところに手が届くショートカットがそろっています。

あまりに多すぎて、よく使ういくつかの機能以外は把握できていませんが、「あれってできないのかな…」と思った機能は探せば大体あるような印象です。

より直感的に使えるオーバーレイモードも搭載

PureRefはデフォルトのウィンドウモードのほかに、「オーバーレイモード」も搭載しています。
上のスクリーンショットのように、資料画像をそのまま画面にペタペタと貼っているような感覚で、アナログ感があってお気に入りです。
ただ、画像を出しすぎると作業スペースが狭くなってしまうので、その場合はウィンドウモードの方が便利なこともありますね。
Ctrl+Yショートカットでいつでも切替可能なので、お手軽です。

資料探しがラクになりました

絵を描く方ならわかると思うのですが、「どれだけ資料を探して観察したか」は、絵のクオリティをわりと顕著に左右します。
それを楽にしてくれるこのソフトウェア、正直もっと早く出会いたかったです。

ちなみにPureRefは「ドネーションウェア」と呼ばれる形式で公開されており、利用者は自分で金額を決定できます。(記事公開当時)
ダウンロードページにはデフォルトで5ユーロが入力されていますが、「0」と書き換えれば無償でも利用できます。
利用してみて後からお金を払うことも可能なので、気に入ったらぜひ「寄付(ドネーション)」しましょう。

それでは。

PROFILE

凹(kubo)

よく描き、たまに書くイラストレーター。
仄暗くて寂しげなタッチの絵が得意ですが、本人はとても能天気です。
絵を描くお仕事があればぜひご連絡ください。

◆Mail
kubo.ekaki★gmail.com(★→@)

◆Pixiv (当コラム掲載イラストを原寸サイズでアップしています)