COLUMN

2022.10.11

「才能と戦わずに好きなことで生きていくためのススメ」 by ミツビシテツロウ 第3回/勝手にQ&A

「好きなことで生きていく」、巷ではよく聞く言葉だけれど、
本当に好きなこと“だけ”で、フリーランスとして生きてくためには具体的にどうしていくべきなのか?
どんな心構えが、どんな機会が、どんなスキルが必要なのか?
好きなことで食っていきたいすべての人たちに向けた、全5回の連載です。

またもやこんにちは、ミツビシテツロウです。
第2回までの連載では、「好きなことだけで生きていくための手順」をつらつらと書いてきました。第3回となる今日は、ここまで読んでくださったみなさんが「とはいえ難しくない?」と思われたかもしれない箇所について、勝手にQ&Aを並べていきたいと思います。

ですので、第2回までの記事を読まれていない方は、先にこちらの記事をお読みください。時間はさほど取らせません。たぶん。

第1回はこちら

第2回はこちら

では早速今日の本題にいきましょう!

Q.「スキルをレベル6に上げましょう」って簡単に言いますけど、普通にめちゃめちゃ大変じゃないですか?

第1回の記事で、「好きなジャンルの(可能ならニッチな領域で必要な)スキルをレベル6に上げましょう」という話をしました。レベル6とは3ヶ月で習得できるくらいのレベルで、なおそれは1日の中で仕事や学校などの時間以外のすべてをそれに費やした3ヶ月であると。

「大変かどうか」は言ってしまえば定義の問題と言うか、たとえば僕にとって作曲は1日12時間やっても苦じゃないくらいには好きだったので、大変だという意識はほとんどありませんでした。

逆に、レベル6になる前に「大変だ、きつい、嫌だ」と思ったなら、それは切ってしまってもいいです。もしもそうやって、Aをやってみたけどしんどかったから切って、次にBをやってみたけどこれもしんどかったから切って……という感じで何も残らなかったとしたら、そのジャンルは向いてないと言えます。

さっきからすごく暴力的なことを言ってる自覚はあるんですが、これは大前提「好きなことだけで生きていく」ための話なので、しんどくなってしまったものは仕事にはしないというスタンスは徹底します。なお、そのジャンルを「仕事にするのには」向いていなかったというだけなので、趣味で楽しむことはいくらでもできます。

また、あるジャンルに向いていないことがわかったとして、落ち込む必要はありません。世の中には他にも無限に取り組みうるジャンルがあるからです。だからこそステップ1で言った、「『好き』をたくさん見つけましょう、そのためにたくさん遊びましょう」があるわけです。

さらに、もしもAをやってみてダメでも、同じジャンル内で他にもいろいろな仕事があるはずです。仕事がないなら、作ればいいです。仕事を作ろうと思えるほど好きなことを見つけれるのはレアかもしれません、だからこそやはり好きはたくさん持っている方がいいんですね。

それから、スキルがなかなか上達しないけれど諦めきれないと言う場合は、開き直ってアルバイトをするというのももちろん選択肢としてあります。友達を作っておけば、「仕事ない?笑」と言えば紹介してもらえたりすることもあります。かく言う僕も、下積み時代はライブハウスやスタジオの受付でしばらくバイトをしていました。

ライブの写真ですが、下積み時代の僕

Q.そこまで好きだって思えることが今のところ見つかっていないんですが……。

なんとですね、これはとても大事な情報ですが、第2回までで紹介したすべての手順を一括でできるお手軽な方法が実はあるんです。

就職」っていうシステムなんですけど。(笑)

そこまでまっしぐらに取り組めそうな「好き」が見つからなければ、あるいは下積みとして当面アルバイトで食っていくことに不安があるなら、いったん就職すればいいと思います。バンド活動をしながら就職もして、後にバンドのメジャーデビューが決まったので仕事を辞めたという知り合いもそう言っていました。なお、就職先のおすすめは「定時で帰れる仕事」です。定時で帰れれば、就職しながらでも1日に6時間自分の好きそうなことに取り組むことも可能です。

Q.「友達を増やす」のが大事なのは重々承知なんですが、コミュ障なので自信がありません…。

フリーランスで生きていくなら、十中八九会社に勤めるより多くの人とコミュニケーションをとる必要が出てきます。しかし大丈夫、コミュ力なんてものは才能ではなく慣れの問題です。慣れるためにもとにかく現場に行って、場数を踏みましょう。

そんなこと言われても、もう少し細かいアドバイスがほしい方もいますよね。そんな方のために、いくつか具体的な話をしましょう。

明るく元気な声で挨拶しよう

小学校の標語か???と思われたかもしれませんが、人類でこれがちゃんとできるのは意外にレアキャラです。笑顔で明るく感じよく「おはようございます」なり「お疲れ様です」なりが言える、これができるだけでもう脱・コミュ障と言っても過言ではありません。なおかつこれは込み入ったテクニックを必要としない、気合いと根性だけで明日からできることです。ぜひ試してみてください。

自己紹介のときは自分の情報を減らそう

次は具体的に自己紹介の場面における話ですが、自己紹介はできるだけ単純化した方が吉です。初対面で要素が多すぎると人はついてこれません。単純化した上で、話のフックになることがあるといいでしょう。僕で言えば、「作曲をやってる明るいデブ」くらいでしょうか。できれば作曲の方をフックにしてもらいたいところではありますが、まぁデブがフックになればそれはそれでいいわけです。

相手に好かれようとしない

これも人類が見落としがちな大事なポイントです。もちろんこれは、失礼でいいという話ではありません。人間は相手に好かれようと思うと、自分の話をしがちです。基本的には自己紹介の後は相手の話を聞くだけと思ってください。相手の仕事の話などを、とにかく聞き出しましょう。たとえ相手が興味のない話を始めたとしても、興味があるフリをするのが吉です。自分が話し下手だとしても、「あなたの話が聞きたいです!」という態度が見せられれば十分です。

最後にもう一度念を押しますが、コミュ力は訓練です。どうしても、心の底から人とコミュニケーションを取りたくないなら、やっぱり就職しましょう。フリーランスは最終的に営業スキルは必須になりますので……。

高校で音楽の特別授業の仕事をいただいたときの様子。元気の良さは高校生も負けません

今回のQ&Aは、このくらいでいったん終わります。
もしも追加でこれも説明してほしい!という内容があれば、ぜひ個人的にご連絡ください。

さて、次回の第4回は、スキルアップする過程で必要になってくるインプットとアウトプットの話をしたいと思います。

PROFILE

ミツビシテツロウ

aka Souichiro Igari
福島県双葉郡大熊町出身、東京都板橋区在住。
音楽制作チーム wave technique主宰
大学在学中に音楽制作を始め、広告音楽フィールドでの活動を開始する。
電子音楽を主軸にTVCM、WEB広告のBGM制作、サウンドロゴ制作を行う。
マニピュレーターとしてカタカナ mizuirono_inu 等のバンドで活動を行い、Persians,GEEKS,悲撃のヒロイン症候群等のアーティストサポートも行う。
2014年東京芸術劇場にて自作タッチパネルを用いた8chサラウンドインスタレーション作品Pythagorasを展示。尚美学園大学より音響賞を受賞。

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