COLUMN

2020.06.23

「コピーライター、ケーキをつくる。」 by 清水 里華 第6回/資金計画の立て方とは。

前回までのお話によれば、事業化への道筋はぼんやり見えてきましたね。
一方でいまだにまったく見えてこないのが、肝心な資金計画であります。

もともとこの事業は、売れれば売れただけ製造者へ利益を還元できる成果報酬(レベニューシェア)方式を想定していたのですが、広告業界しか知らないわたしには当然ながら製菓業界の賃金・原価構造についての知識がまったくありません。

製菓どころか、飲食業の収益構造すらわからなかったわたしは、勢いあまって「串カツ田中」のFC出店用資料まで取り寄せる始末。
しかし、やみくもにネットで調べまくってみたところで、ぜんぜんピンとこない。


「何にいくらかかるかまったく読めない中で資金計画なんて立てられるかボケェ!!」

と、自分の中の自分にキレられながらも、資金計画が立たない限りは事業化なんぞできやしないので、ここはなんとしても、なんとかせねばならない。


そうだ、ここはお金のプロフェッショナル、赤木先生に泣きつこう。


実は、わたしも編集部の一員としてお手伝いしているメディアサイト「FREEZINE」のサシ編集長が、税理士の赤木葉子先生とお知り合いでいらしたのである。
しかも、当時「FREEZINE」のSTUDYコーナーでどえらく明快で役に立つマネーハック情報コラムを連載いただいていたのである。

そこでわたしは早速赤木先生にアポイントを取り、京浜急行に飛び乗ったのでした。

四半期決算の時期でご多忙だったにも関わらず快くお時間を割いていただいた上に、なんちゃって事業計画書を片手にしどろもどろなプレゼンテーションを終えたわたしに対し、赤木先生はひとこと、こう言われました。

「素晴らしい事業計画ですね!ぜひお手伝いさせてください」

おお神様、まったく世の中は捨てたもんじゃあござんせん。
しかも、そのあとの赤木先生のアイデアもまた素晴らしかった。

「まる福さんには製造委託、という形で人件費と材料費をお支払いする形にすれば良いんじゃないですか?」

なるほど、それなら妥当な委託費のパーセンテージをまる福さんにヒアリングすれば原価構造が組み立てられるじゃないか!
神様!仏様!赤木先生様!

しかも赤木先生、それからわずか数日で立派な収支計画書をまとめて送ってくださったのであります。
いける!これならいけるよ!
神様!仏様!赤木先生様!


しかし、そのときのわたしは知る由もなかったのです。
一介のコピーライターが新規ビジネスを起こすまでには、
その先に茨の道が待っているということを。

(次号に続く)

PROFILE

清水 里華(シミズ リカ)

都内の広告会社に勤めるクリエイティブディレクター兼コピーライター。
ときには、戦慄のオルタナティヴロックバンド「Very Ape」でドラムを叩き、ときには、WEBメディア「FREEZINE」で企画+取材+構成+イラストを担当。
2019年より、クリエイティブの力で社会課題に挑む新規事業「Lashisa(らしさ)」を立ち上げ、手探りで運営している。

Very Ape

Lashisa

Lashisa(らしさ)とは?

クリエイティブの力で、もっと社会にしあわせをーーー。

「Lashisa(らしさ)」は、障がい者の社会参加を支援する就労支援施設における賃金アップという社会課題を解決するために、広告会社「原宿サン・アド」が立ち上げた新規事業です。
一般社団法人「日本スイーツ協会」の代表理事である辻󠄀口博啓氏の監修のもと、糖質オフ&グルテンフリーなプレミアムスイーツを開発し、渋谷区の就労継続支援A型の施設「渋谷まる福」に製造委託。
原宿サン・アドのクリエーターが手がけるパッケージとECサイトで販売いたします。
高付加価値な製品の開発・販売を通じて、就労支援施設の賃金アップに貢献します。 

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