COLUMN

2020.04.12

「コピーライター、ケーキをつくる。」 by 清水 里華 第3回/「残念すぎる」何かへの気づき。

「障がい者の就労支援施設で、高収益を生み出す商売のお手伝いをして、その利益を障がい者へ還元する新規事業をはじめよう。」

と思い立ち、小躍りしかけた2017年のわたし。
しかし、はたと立ち止まる。

「高収益を生み出す商売?」

就労支援施設で作られている製品をざっと調べてみたところ、家具もあれば、ジャムもある。
手作りのアクセサリーもあれば、人形、パンやケーキ、クッキーもある。
うーん。クリエイティブの力が活かせそうな製品とは一体。

資料をパラパラめくっていると、ふと、とある点に気がつきました。

「あれ?この子たち、パッケージとか見た目が残念すぎるんじゃね?」

そうなのです。
就労支援施設にはそもそも潤沢な予算などあるわけもなく、品質にこだわって苦労してつくりあげた良質な製品であっても、それを一般商品者へあまねく届けるためのパッケージや資材への投資がままならず、かわいくお化粧してあげることもできない。
よって、高値での販売が難しく収益を上げづらい、という負のパラドックスが発生していたのです。

なるほど。
では、クリエイティブのノウハウを使って、きちんとブランディングされた良質な製品を作ることができれば、高収益なビジネスが展開できるかもしれない。

しかし、そのときのわたしは知る由もなかったのです。
一介のコピーライターが新規ビジネスを起こすまでには、その先に茨の道が待っているということを。

(次号に続く)

PROFILE

清水 里華(シミズ リカ)

都内の広告会社に勤めるクリエイティブディレクター兼コピーライター。
ときには、戦慄のオルタナティヴロックバンド「Very Ape」でドラムを叩き、ときには、WEBメディア「FREEZINE」で企画+取材+構成+イラストを担当。
2019年より、クリエイティブの力で社会課題に挑む新規事業「Lashisa(らしさ)」を立ち上げ、手探りで運営している。

Very Ape

Lashisa

Lashisa(らしさ)とは?

クリエイティブの力で、もっと社会にしあわせをーーー。

「Lashisa(らしさ)」は、障がい者の社会参加を支援する就労支援施設における賃金アップという社会課題を解決するために、広告会社「原宿サン・アド」が立ち上げた新規事業です。
一般社団法人「日本スイーツ協会」の代表理事である辻󠄀口博啓氏の監修のもと、糖質オフ&グルテンフリーなプレミアムスイーツを開発し、渋谷区の就労継続支援A型の施設「渋谷まる福」に製造委託。
原宿サン・アドのクリエーターが手がけるパッケージとECサイトで販売いたします。
高付加価値な製品の開発・販売を通じて、就労支援施設の賃金アップに貢献します。 

「Lashisa」ECサイト