COLUMN
2020.12.25
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2020.12.25
「未来に戻りたい。」
口腔内で浮き上がる。矛盾した今が、想いが、大気圏に消えていった。
ポジティブな言葉かもしれない。未来から来たヒト型が今より未来の方が生きやすい過ごしやすいから早く戻りたいと。
そう想いを馳せ、発した言霊。
未来はヒカリに照らさせて明るいと。
逆説で語ると、ヒト型が体感している何もぜずに多くのモノが手に入り、欲を満たせて、今は無駄な、煩わしいやり取りが多いと嘆いているのかもしれない。
タイヤがある乗り物ってダサくなぁい、と。(遂に浮いたの!?)
便利な世の中。不便な世の中。どちらがいい?
急がば回れ。コンビニエンスストアで薄いコンドームを買った。
初めて彼女の乳房を口に含んだ時、、
初めてじゃない、懐かしい。とコンマ1秒?、
音速のようなスピード感で、脳で弾けた。
一瞬だった。次の瞬間、ただのオスになっていた。
脳の記憶って凄い。デリートはしてないんだよね。そこまでの道が繋がれば辿り着く。
円盤販売員は辞めていた。ライスワークでも音を作る側に行きたい想いがあった。
摩天楼を見上げていた。此処かぁ
ナウシカに出てくる巨神兵のような作品が起立している。
この、はち切れそうな想いを破壊しないでね。
思いの丈をぶち撒け、働くことになった。
ビロビロビロピロ、、フロア中に着信音が鳴っている。
令和の今、死語になっている着メロを作る職に就く。
音の嵐には一週間で慣れた。ヒトの耳は凄いよ。集中すると目の前のガラパゴスケータイ
の音しか聞こえなくなる。
奥が深かった。曲によって、機種によって、鳴り方が変化する。数値を変えながら何度も聞いて調整していった。
そのフロアにはそれ以外の部署もある。
やはり着信音の津波は不快だったらしい。
ビル内で引っ越しが行われた。高層階になった。そして、通称"水槽"と言われるガラスの壁に囲まれた部屋に隔離された。
口をパクパクしながら餌を待っていた。気がする。
順調に心は回り、楽しく仕事をしていた。
ライブも少しずつ数を増やしていた。
この頃できた鍵盤のキーボードではなく、パソコンに入力するキーボードで演奏する仕組みを作った。電動ドリルで穴を開け、紐を通し、ショルダーキーボードだ!ダサカッコいいと思う。
通常の平均律も出るし、サンプラーのように打楽器をひとつひとつのアサインしてリズムマシンにもなる。大文字小文字の切り替えで音のバリエーションも増やせる。
いいね。ポチッ。
そんな中、黒船が近づいてきた。
スティーブさんチョロチョロ操っていた黒いポラリスだ。
ここまでも首を傾けてるヒト型を生んだ功績はデカイ。首と親指が凝ってるナウ。
どんどん水槽の中が澱んでいった。
異動したり、辞めたり、会社も大きく舵を切っていた。自分にもついに手が伸びてきた。希望を募った。離れたくはなかったが、そろそろかなと思っていた。
異動。
音の波形のひたすら切ったり、RBT(RingBack Tone)という相手が電話をかけて受け取るまで流れるメロディの調整をする部署になる。
マシンのように働いた。コンピュータの得意なことは繰り返しだ。常時やってほしいルーティンを投げ出さず淡々とこなしてくれる。
音楽でいうなら一寸の狂いもなく、ビートをメロディをループしてくれる。
ここでは、自分もそんな機器の一部と化した。自分のCPUの精度が上がり、無心の二進数と化すと変なゾーンに入り、ちょいハイになった。
奇しくも黒船は下のフロアに到着していた。
齧ったりんごジャパンが。(今はギロッポンヒルズだね。)
奇しくもそこの従業員(外国の方)が愛電話を裸で持って操作してて、カッコいいなぁと思ってしまったのであった。。
奇しくも数年後買ってしまい、首がいつも15度、曲がっている。。
かの駿さんが電車の中で操作しているのを見て、まるで自慰行為のようだと揶揄している記事を思い出した。
メロディは流れ、時代は流れ、消費していく。ヒトはこの星に必要なモノか?
人生を変えるあの日が近づく。旋律はつづく。