PEOPLE

2023.07.18

TSUZUMI インタビュー | 髪から、この空間から、熱いパワーを伝播させたい。

企画・取材・構成:miNami

新宿で育ち、南米の風を浴びたヴォーカリストにしてFREEZINE運営メンバーのmiNamiが、独自のフィルターで「波」に乗っていると感じる各界のフリージンに密着撮影&インタビュー。さまざまな枠を超えた新たな出会いをお届けします。

第3弾は、近代理容の象徴を目指す
理容室「ZUG2WANG」のオーナーTSUZUMI

miNamiによるmy-Namiポイント解説

ある日のことです。うちの近所を歩いておりますと、錆びれたバーがあった場所に新しいお店が出来ていました。とても目を惹くお店でして、新しいバーか、洋服屋さんか、随分イケてるお店だなと思いました。気になり何度かお店の前を通っていると、中で髪を切っているかなりイケてる男性二人がいました。私は3歳から同じ美容院で髪を切ってもらっていたのですが、どうしてもこの店で髪を切ってほしくなりお店に突撃しました。「新規なのですが、切っていただけますか」とお聞きしたところ、「うちメンズカットの理容室なんですけど...それでもよければ!」と言うことで後日切ってもらいました。今までの美容師さんも大好きでしたが、私を私らしく、毎回期待以上を超えてくるやべぇやつに会えた!!!と思わせられる髪にしてくれました。ええ、それからずっと通っています。そのやべぇ担当が今回インタビューさせて頂いたTSUZUMIさん。聞いてみれば同い年。話を聞けば聞くほど面白く、ある日髪を切って下さってる時に「俺たちは近代理容の象徴になりたいんですよ!」と気になる熱いワード。近代理容の象徴とは全く私にはイメージできなかったけれど、説得力を感じる熱意とTSUZUMIさんの人柄、そして ZUG2WANGという魅力的な理容室。自分たちでイベントを開催したりと、なるほどこれが近代理容かと思わせられる【波】を起こすパワーを持ち合わせたスタッフさん達。そんなパワーやエネルギーを引っ張るTSUZUMIさん、インタビュー読んで気になったらぜひ髪を切りに行ってもらいたいです。

Q:自己紹介をお願いします。
A: ZUG2WANG(ツークツワンク)という理容室を運営している理容師です。26歳です。

Q:ZUG2WANGを始めるまでの経歴、職歴を教えてください。
A:専門学校が北海道で免許を取得して19歳の時に上京して来ました。 約3ヶ月でスタイリストになり1年後には店長として経験を積ませて頂き、2022年の4月に独立して今のZUG2WANGを立ち上げました。

Q:ご出身が北海道とのことですが、地元での開業ではなく東京、新宿での開業を選ばれた理由はありますか。
A:やっぱりやるなら東京でしょって感じで、東京以外選択肢に無かったです!自分達が本気で動けばどこからでも火を起こせると思っていたので駅とかは正直何処でも良かったです(笑) ただ、今は新宿が自分達の作っているお店のイメージとピッタリで新宿は大好きです(笑)

Q:理容師さん、美容師さん、どちらもアシスタントの期間を3年ほど経てスタイリストとしてデビューされることが多い印象があります。ZUG2WANGさんのスタイリスト皆さんは20代前半と若く、オーナーの鼓さんも26歳とお若いですが、業界としては珍しいのでしょうか。また若い世代のスタッフさんを雇われているのに理由はありますか。
A:ZUG2WANGの平均年齢は21歳なので業界としては珍しいと思います。むしろ日本1若いお店だと思います(笑)
スタイリストになるのに何年かかるみたいなイメージがあると思うんですがやっぱりうまい人は早いですよ。練習したらしただけ上手くなれるのがこの仕事で、前社の時はオールで練習したり、賢太郎(立ち上げスタッフ)も倒れるまで練習してました(笑)
今の店のバランスを崩したく無いので年上の雇用は考えていないです。

Q:今回のインタビューの前に『近代理容の象徴を目指す』と仰られておりましたが、近代理容とは何でしょうか。また目指されている近代理容はどんなものでしょうか。
A:今1番イケてるbarberはZUG2WANGでしょって多くの人に認知させたいんですよね!
先輩達のすごいかっこいいbarber shopは沢山あるのでそこを目指しても同じ様にしかなれないし、今までの床屋の概念を覆すようなモノを作りたいんです。アメリカンカルチャーのオールドスクールなbarber shop が増えた中で、自分達の様な特殊なヘアスタイルが出来たり、若い面白い人達が集まる空間って中々無いと思っています。
誰もやらなかった、出来なかった事を色々やって行った先に自分達のような人達がいなければ先頭を走っている事になると思います。
ZUG2WANGはただの床屋じゃないよねって思われたいです(笑)

Q:新宿でホームレスの方へフリーカット、歌舞伎町の広場でのフリーカット、独自イベントを開催されていますね。それぞれ何かしらのきっかけがあると思いますが、どのイベントにも通ずる理由や思いはありますか。
A:誰もやっていないし面白いと思ったからです。1番最初は店でオープンパーティーを開催したんですが台風の日にトータル150人位集まってめっちゃ面白くて、定期的にイベントは続けて行きたいなと思っていました。
今後はイベントも事業として本腰をいれて行って行きます。普通のクラブイベントは沢山あるのでまた違った角度から狙ってます。
まだ試行錯誤の段階ですがみんなの楽しみになる月1のイベントにして行きたいです。
予約もパンパンでその後にイベントの準備だったりでバタバタですが、それこそ誰もやってないしできない。
色々な人と繋がりを持てるbarberだからこそスピード感を持って動かせるので沢山面白い動きをして行きたいです。

Q:これまでの理容活動の中で嬉しかった体験談や、やりがいを教えてください。
A: 1番嬉しかったのはやっぱり店がオープンした時です。25歳のあの時の自分の持ってる全てで繋げたオープンだったので素直に嬉しく誇らしく思いました。応援してくれてる人の数が何よりも自分の自信になりました。

Q:ちなみにオープンまでに苦労されたことがありましたか。
オープン予定日に工事も終わらず、コロナで全然道具も届かなくて壁紙塗れてないしレジも無いし洗濯機もない。オープンは最高でしたがバタバタで大変でした(笑)
後は歌舞伎町も近いので沢山危険な出来事に遭遇しました。(笑)

Q:今後やってみたいイベントや、理容師としてやってみたい活動はありますか。
A:いつも店のみんなとはこの話ばかりしています(笑) これしたら面白そうじゃない?とか
色々アイデア出し合ってみんなやりたい!ってなったら動いています。 
海外で何かやってみたいですね。その為にやるべき事はまだまだありますがずっとワクワクしていたいです。

Q:最後に人生における使命とは。
A.自分に関わる全ての人に恩返しをしたいです。大袈裟じゃなくて本気で思ってます! 
理容師として多くの人に今後も関わらせて頂く中で何か自分達を見て刺激になって頂けたら嬉しく思います。あいつが頑張ってるから俺も頑張ろう!って思って貰えたら最高です。そしたら俺ももっと頑張るし!!
こういうポジティブな明るいエネルギーをバンバン周りに伝染させて関わるみんなで盛り上がって生きていけたら最高です。

PROFILE

TSUZUMI
(ツヅミ)

19歳で北海道から上京。メンズ専門サロンで下積みを経験し、
25歳でZUG2WANGを立ち上げた。
近代理容の象徴になるべく奮闘中。

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