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2021.08.03

バイドク佐藤の人生の転機になった10の音楽

FREEZINEが選ぶ「人生の転機になった10の音楽」シリーズ。
第18弾は、バンド「バイドク」ギター&ボーカル担当のバイドク佐藤!

もしもその音楽と出会っていなければ、いまの自分はない。人は誰しもが、そんな人生の転機となった音楽を持っているもの。そこでこのコンテンツでは、各界のFREEZINEたちに、自分史上において転機となった10の音楽を選んでもらい、当時のエピソードと共に紹介していただきます。選ばれた音の並びから、人となりが見えてくる。

THE BLUE HEARTS『Train-Train』

音楽にはまるきっかけとなった1枚。これと出会わなければ実家の豆腐屋さん継いでたかも。中2の時、音楽といえばお姉ちゃんの買ってきたミスチルとかWANDSとかを聴いていたのだが、そろそろ自分でも何か掘っていきたいなーと思ってたところに、幼なじみのヤンキーが1,200円で売り付けてきたのがこのトレイントレイン。中二の自分に見事にハマって、その後アルバム全部買ってめちゃ聴いてました。書籍とかも読んだりして、彼らが好きだっていうストーンズとかパンクロックとかブルースを聴くようになっていったんだよね。ここから全てが始まった。ヒロトの影響でハーモニカ買ってちょっとだけ練習しました。でもバンドをやったりギターを弾いたりするのはもっと後のお話し。

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Various Artists『WHEN YOUR LOVER HAS GONE (25 BLUES & SOUL HITS)』

Bluesというものを知るきっかけになった1枚。ヒロトの影響でブルースハープを始めて、サニーボーイウィリアムソンが好きって言ってたからそれが入ってるCD探したらこれと出会った。ま、ハープはそこそこで辞めちゃうし、当時このCDにどハマりしたというわけではないのだが、ギターを弾くようになってからエルモアジェイムスとかジョンリーフッカーとか聴くと、ペンタ1発なのになんて表現力なんだろうって驚くし、ずっとおんなじことしかしてないのにかっこいいとか何なのこの人達!?ってなって、ディープなBluesの世界に足を踏み入れて行くことに。あと大人になってからいろんなBluesとか、あとストーンズもそうだけど聴くと、歌詞がクソだってのがわかって安心しましたね。女を殴っちまった~とか、女が妊娠した~とか、セックスやりて~とか。Bluesの巨人たちが言ってんだから、まんことかセックスとか言ったって別にいいだろって勇気をもらいました。

Deep Purple『Deepest Purple:The Very Best of Deep Purple』

私、初めて人前でバンドやったのって高1か高2の時、ディープパープルとボンジョビのコピバンのボーカルだったんですよ。このバンドをやる前にペニーワイズのコピバンのボーカルやったんですけど練習1回で終わっちゃって。んでその時のメンバー繋がりでこのバンドに誘われて、当時ボンジョビは聴いてなかったけどディープパープルは好きだったのでやることに。農家のやつんちの納屋に機材ぶち込んでグワッシャーって音出してた。ちゃんと歌えてたのか今でも謎です。10ワットくらいのギターアンプにマイクつないで音出してたから、ピーピーハウって全然自分の声聞こえないんですよ。そんで近所のスーパーの催事場で人生初ライブ!しかも対バンは大嫌いなGLAYのコピバン!もうさとうくん大ハッスルですよ。ディープパープルからスピードキング、ハイウェイスター、バーンを、ボンジョビからはリヴィン・オン・ア・プレイヤー、ユーギブラブアバッドネームをやりました。結構ウケたと思ったな。このバンドの活動はこれきりでしたが、以降、街中でキッズに「バンドがんばってください!」て声かけられるようになって、さとうくんは大変気分が良かったのでした。まあまだここから10年以上も童貞続くんですけどね。

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Ramones『We're Outta Here』

ギターを手にするきっかけとなった1枚。これと出会わなければバイドクは生まれなかったし、オナニーばっかしてたと思う。初めて聴いたのは高2かな?この頃にはいろんなロックやらパンクやら聴いていましたが、ギターを弾こうという気にはならなかった。周りにも何人かギター弾いてるやついましたけど、自分には難しそうだから無理だなって思ってたんですね。だからこのアルバムに、ラモーンズに出会ってどえらい衝撃を受けたわけです。ギターソロないじゃん!?難しいコードとかないじゃん!?でもかっこいいじゃん!?てね。そして、これなら俺にもできるじゃん!!て思わせてくれた。そんでその年のお年玉でジョニーラモーンモデルのモズライト(SCHECTER製の廉価版)買ったんだよなあ。幸い田舎なもんで爆音で鳴らして気持ち良くなってましたね。どんだけ影響受けてるかってのはバイドク聴けばわかってもらえるかと。モズライトも自分でシングルからハムにしたり、トーンカットしたりとか、改造したなあ。今はもうネックの付け根がバキバキで弦も張れないけど、捨てられなくてね。今回アー写に収めることができて良かったです。ちなみに初めて聴く人にはIt's Aliveていう1977年のライブ盤をおすすめします。We're Outta Hereは解散ライブでジョーイがヨボヨボですしディーディーもいません。

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Led Zeppelin『ベスト・オブ・レッド・ツェッペリン ~リマスターズ』

さあ、ラモーンズに影響されてギターを手にしたさとうくん、初めてコピーしたのはやはりラモーンズ?ではないんですね。あんなもんすぐできるだろ(ひどい)ってことで、セックスピストルズのHolidays In The Sunと、このツェッペリンのRock And Rollをコピーし始めたんですね。極端ですね。パンクも好きですが、ブルース、ブルースロック、そこから派生するサイケやハードロックも好きだったんですね。だからボンジョビは聴いてないけどディープパープルは聴いてたわけ。ツェッペリンで1番影響を受けたのは、ジミーペイジのメジャーなスケールの音使いですね。ヘビーな曲でもメジャーな明るい音をぶっ込んでくるところに痺れました。その影響で自分がソロを弾く時も、メジャーペンタ良く使うようになりましたね。あとレスポール持ってたけど、高円寺の居酒屋で盗まれた。

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NIRVANA『Nevermind』

家でシコシコギターを練習するさとうくん、華々しくデビューか!?と、その前にベースでニルヴァーナのコピバンやるんですね。それが楽器デビュー。高3くらいかな、ちょっとギターも弾けるようになって、そろそろバンドやりたいなーなんて思ってたところに、ニルヴァーナやろうって誘われたんですよ。でもそいつがギターボーカルやるっていうので、じゃあ俺ベースやるっつって黒白のプレベ買ってコピパン結成。町内会の夏祭りで、トラックの荷台に機材積んだステージで初演奏!このコピバンが初めてちゃんと組んだバンドかな。その後も何回かライブしてました。ニルヴァーナのアルバム全部好きですけど、当時よくコピーしていたネバーマインドを選出しました。ニルヴァーナは最初友達の家で聴いた時はそんなにピンとこなかったんだけど、後からどんどん好きになっていきましたね。BS2でたまに海外のバンドのライブ映像流してたんだけど、そこにニルヴァーナがテレビ番組で演奏して、最後に機材バキバキに破壊するっていうのを見まして、サイコーにイカすなあと。録画して何回も見てたな。バイドクのテーマなんかモロにニルヴァーナの影響でできた曲です。コード進行とか。ちなみにさとうくんのギターデビューは高3の秋、学園祭でのブルーハーツのコピバンで無事に果たしております。

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Jimi Hendrix『The Ultimate Experience』

ジミヘンですよジミヘン。ギタリストで彼に影響されないやつがいますかね。人生で2番目に買ったギターは黒白のラージヘッドですよ。モンタレーですよ。なんなら今メインで使ってるフライングVもジミヘンシグネイチャーモデルですよ。あとみんな知らないと思うけどファズとかワウとかモジュレーション系のエフェクターとかもこっそり持ってるんですよ。好きなんですよ。ブルース、ロック、サイケ、ノイズ、どれも刺さりますなあ。とりあえずこのベストアルバムを聴いて、各アルバムを聴いていったんですけど、どれもいい。ちなみに前述のラージヘッドのストラトは大学1年の頃、当時好きだった女の子と楽器屋に行って買ったんだけど、その子にフラれたので、よくぶん投げたりしてた。最後は軽音サークルの卒業ライブでジミヘンのコピバンやった時に燃やして叩きつけて、大学は卒業したけど童貞は卒業できなかった悔しさをぶつけて、清算しました。

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バイドク『パイパニック』

人生の転機になった曲といえばこれ。バイドクで最初にできた曲。というか、これができたからバイドクが生まれた。2000年に大学入学して、軽音サークルの新入生ライブでラモーンズのコピバンでギターボーカルをやったんですけど、それを見た本田くんていうやつがなんか一緒にやろうよって誘ってくれて。彼はやったことはないけどドラムやるっていうので2人でスタジオ入ったその日、適当に合わせてたらできちゃったんですよ。歌詞もこの時にほとんどできた。おっぱいへの憧れがメロディになって溢れてきたんだね。これはイケるぞ!って思ってバイドクのテーマ、(We’re )The 童貞クラブ、チェリーの唄など、今でもやってる曲ができあがって、ベースを加えてバイドク結成!サークルがオリジナルソング研究会ていう名前だったので、売れてやる!とか変な気負いなく、おもしれーからやってみようって作れたのも良かったですね。その年のサークルの夏合宿でバイドク初ライブ!なかなかウケが良くて、やっぱ俺って天才だなって調子に乗りましたね。そこから童貞捨てるまで10年かかるとは知らずに…

GUITAR WOLF『狼惑星』

高校の頃かな?当時聴いた時はぶっ飛びましたね。なんじゃこのバリバリの音は!?最高にイカすやんけ!!ってね。アナログで割れちゃって歪んでる音とか大好きなんですよね。バイドクの最初のデモ音源は先輩にMTR借りて自分で撮ったんですけど、ミキサー卓で軽く歪ませて、この狼惑星とかストゥージーズのローパワーみたいなザラつき感を出すようにしてました。ギターウルフを聴いて、ガレージというかアンダーグラウンドというか、有名じゃなくてもすげーバンドがいっぱいいるんだっていうのがわかった気がする。バイドクのテーマの時、女の子にギター渡しちゃうのは何を隠そうギターウルフのマネです。他にもアンプのトーン全部フルにするとか、いろいろ影響を受けております。

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オナニーマシーン『恋のABC』

心の支えとなった1枚。大学のサークル内だけでしたけどバイドクも何回かライブをこなして楽しくやってた2002年、先輩からこんなバンドあるよって教えてもらったのがこのCD。最初に聴いた時の感想は「作風被ってもうてるやん!」でしたね。曲もどれもカッコいいのでなおさら悔しかった。その後、ライブハウスでも活動するようになって、いろんな人にバイドクを見てもらえるようになってくると、言われるんだよね。この歌詞じゃ売れないとか、才能の無駄遣いとか。コンピに音源収録したいって話をもらった時もあったけど、ただ歌詞がね…ってなって流れたり。まだ若かったから、あんまり周りからそう言われるとさすがにやっぱダメなのかなって落ち込みそうになるんだけど、そんな時このCDのことを思い出すんだよね。ちんことかまんことか言ってても立派にデビューできるじゃんか!俺もやりたいようにやるぞ!と。イノマー、ありがとう。

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改めて「人生の転機になった10の音楽」を選んでみて。

いやー、まず思ったのが、最近全然ギター弾いてねーなってことですね。たぶん20代の頃の方が上手かったと思う。まあ昔はギターしかなかったわけだが、今はインターネットでポルノ見放題ですからね。しかも無修正。そりゃオナニーしちゃうよ。だから若い時にネットが普及してなくて良かったと思いました。ブルーハーツより先に無修正ポルノサイトに出会っていたらと思うとゾッとしますね。なんだこのまとめ。

PROFILE

バイドク佐藤

バンド『バイドク』のギター&ボーカル、および作詞作曲担当。趣味はオナニー、好きなジャンルは無修正。

YouTube『勃起NOW』

バイドク佐藤 Twitter

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