FEATURE

2021.06.15

川口純平の人生の転機になった10の音楽

FREEZINEが選ぶ「人生の転機になった10の音楽」シリーズ。
第15弾は、ロックバンド断絶交流のボーカルギター&作詞作曲を担当する川口純平!

もしもその音楽と出会っていなければ、いまの自分はない。人は誰しもが、そんな人生の転機となった音楽を持っているもの。そこでこのコンテンツでは、各界のFREEZINEたちに、自分史上において転機となった10の音楽を選んでもらい、当時のエピソードと共に紹介していただきます。選ばれた音の並びから、人となりが見えてくる。

ビートルズ『イエローサブマリン』

ビートルズから一枚選ぶという事ほど困難な事は無い
しかし今回のテーマが自分の人生に影響を及ぼした、という事なのでイエローサブマリンを上げる事にした
このアルバムはアニメーション映画である「イエローサブマリン」のサウンドトラックで
正確に言うのであれば音源ではなく映画「イエローサブマリン」の方に逃れられない洗礼を受けたのである

自分がまだ幼稚園に通う前、ビートルズマニアの母親は一つ上の兄を幼稚園に送る間、アンパンマではなく自分にこの映画を毎日観せ続けた

みなさん
是非、今こそ、この映画を観てほしい
可愛い絵柄のビートルズが音楽で世界を救うという他愛のない内容、の姿を借りた
無限、無、文化の多様性、戦争というガチめなテーマをこれでもかと詰め込み、その上にサイケデリックなペンキをぶっかけた
非常にぶっ飛んだ映画である

特に好きなのがLucy in the Sky with Diamond(ジョンレノンがLSDを暗喩してるという疑惑が生まれた曲)が流れるシーンで
ピカチュウよりピカピカしてると自分は思っている
その光によって自分の脳は焼かれたのである

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たま『さんだる』

初めて買ってもらったアルバム、カセットテープがたまの「さんだる」である
(当時はまだCDは出始めの谷間期)
小学生の頃
さよなら人類がテレビコマーシャルで流れていて
聴いた瞬間
いてもたっても居られなくなり、親に頼み込み買ってもらい
文字通りテープが伸びきるまで聴き込んだ
それまで自分から音楽を聴きたいという自発性はなかったのだが
なんというか
理屈ではなく、ソウルが引き寄せられたのだと思う

大人になってから聴いても
みずみずしいサウンド、言葉が溢れており
まったく飽きない
たまは日本のビートルズだと勝手ながらに感じております

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レッドツェッペリン『3』

ビートルズの洗礼を受けながらも
普通の小学生、中学生として生きていた自分の後頭部にバイキングのハンマーを振り下ろしたのがレッドツェッペリンである
当時流行っていた日本の歌謡曲を聴いていた自分に、親の友人のロック好きおじさんが
「これ聴いてみなよ」
と手渡してきた一本のカセットテープ
それはおじさんによるツェッペリンベストテープであり
4の楽曲を中心に入っていたと思う
なんで3をチョイスしたかと言うと
自分が初めてステージ上で歌った歌が「移民の歌」だからである
あああ~~!あっ!!
見事に人生が狂ったのである

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井上陽水『断絶』

中学生の頃
井上陽水の「ハンサムボーイ」というアルバムのジャケットに衝撃を受けた
ショッキングピンクの背景に
アルバムタイトルとはかけ離れた
グラサンのあやしいおじさんがほくそ笑んでいる
やられた
(内容も素晴らしいです)

そこから洋楽と平行して井上陽水のアルバムも集めるようになり
このファーストアルバムにたどり着く

高校生の頃には立派に、心に断絶を抱えるようになったのであった

当然
断絶交流という曲のインスピレーションの一つである

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ガンズアンドローゼズ『アペタイトフォーデイストラクション』

高校時代
ロックが好きながらも、映画監督を目指していた自分は
正月に年賀状配りのバイトをバッキバキにこなして
当時、だいぶ手頃になってきていた家庭用ビデオカメラを購入する

そして学校内でアホな映画やアホなドキュメンタリー映像を撮っていたところ
ガンズのコピーバンドをやっているK君というクラスメイトから
「カメラあるなら今度のライブ撮ってくれないか?」
と頼まれ、初めてライブを撮影する事になる

そしてライブ当日
ファインダーを覗いて録画ボタンを押しK君が「welcome to the jungle」の三連イントロを弾き始めたその刹那

自分は
覗いているファインダーの向こう側に行かねばならない
自分が
撮影されなければならない

瞬間的に思ってしまった

バンドを始めるきっかけのアルバムです

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ブラインドメロン『スープ』

これまた高校時代
グランジの風が吹き荒れる頃
ブラインドメロンもグランジの一種として紹介されていたと思う
(売る為ですね、今考えると)

正直
古いロックを聴きまくっていた自分には
何がグランジなのかわからんかった
つまり、ひねくれていた

しかし
このセカンドアルバムを聴いた時
そのモヤモヤが解けた
どんな呼び名でも良いもんは良い!!
それぐらい芳醇な音楽が詰まっていた

CDの帯に日本ツアーの日程が載っており
初めて自分からライブに行ってやる!
と決心したのだが
彼らがツアーにやってくる事は無かった

シャノンの訃報だけが届いた

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吉田拓郎『ライブ73』

洋楽フリークであった自分が
日本でも良いロック出てますねぇ!!
と覚醒させていただいたアルバムがこれです
拓郎さんのシャウトが最高に最高なんです
ロックってなんじゃ
って自分でも思いますが、
重要なのはシャウトなんではないでしょうか?
みなさんはどう思うでしょうか?

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エレファントカシマシ『東京の空』

古いロック
特に洋楽が好きで
それをどうやって自分で、日本で、日本語で
表現出来るのだろう
と悩んでる時に出会ったのが吉田拓郎さんと
エレファントカシマシです

エレファントカシマシの存在はすでに知っていたのですが
何かの機会にライブ映像を観ることがあり
このアルバムに入っている「星の降るような夜に」にとても感激した
清志郎さんに影響を受けてるのは明白なんだけど
とにかくフレッシュで
自分もフレッシュになる!
とフレッシュを連呼してた時期があります

今でもフレッシュ!!を大事にしています

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ポールマッカートニー『マッカートニー』

既に
ビートルズを一枚選んでいるので悩んだし
また、ポールだったらRAMも好きだし、バンドオンザランも、、、
と思ったのだが、しかし
今のところ
この世で一番美しい曲だと思っているのが
このアルバムに入っている
「Singalong Junk」
というインストゥルメンタルの曲である
(歌付きは「Junk」というタイトルで同じアルバムに入ってます)

そしてほとんど一人で録音しているであろうこの素朴なアルバムが
自分の曲作り、録音の支えになっているのは確かである

なのでこのアルバムを選びました

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ピクシーズ『サーファーローザ』

実は高校時代聴いた時には
それほどピンとこず、通り過ぎていたのだが

30歳になり
人生を賭けて活動していたバンドが崩壊した後
聴き直したピクシーズは効いた
本当に効いた

二度と人とバンドなんて組むまい
ソロで、一人で録音して
もう誰にも邪魔されないでやっていくのだと
心に誓ったはずなのに
結局、すぐにバンドを組むのである

バンド断絶交流のイメージの源泉の大きな一つはピクシーズである

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改めて「人生の転機になった10の音楽」を選んでみて。

人生の転機になった音楽、アルバムを10枚選んでみて
ああ、自分はミーハーだな
ど真ん中が好きなんだな
と、つくづく思ったのと同時に

選考漏れが激しく
(あれも、これも、、、みなさんそうだと思いますが)
次にこういう機会があった場合は全然違う結果になるかもしれないな
と思いました

しかし
今回の10枚
カッコつけずに
確実に影響が感じられる
聴き取れるであろうアルバムを選んでいるので
是非
断絶交流のアルバムと聴き比べてくださいませ

断絶交流 川口純平

PROFILE

川口 純平(カワグチ ジュンペイ)

ロックバンド断絶交流のボーカルギター&作詞作曲担当
弾き語りでのソロ活動も勢力的におこなっている

断絶交流 Website

川口純平 Twitter

断絶交流 Twitter