FEATURE

2022.01.18

山下大輝の人生の転機になった10の音楽

FREEZINEが選ぶ「人生の転機になった10の音楽」シリーズ。
第24弾は、ロックバンド「フーテン族」のボーカル山下大輝!

もしもその音楽と出会っていなければ、いまの自分はない。人は誰しもが、そんな人生の転機となった音楽を持っているもの。そこでこのコンテンツでは、各界のFREEZINEたちに、自分史上において転機となった10の音楽を選んでもらい、当時のエピソードと共に紹介していただきます。選ばれた音の並びから、人となりが見えてくる。

はっぴいえんど『はっぴいえんど』

 日本語ロック最初のアルバムともいわれるこのアルバム。私の中では絶対に欠かせない存在です。
 はっぴいえんどの好きな所は日本人として日本を武器にしている所です。日本語にしかないニュアンスやユーモアが沢山詰まっています。日本人が外国人の真似だけしたところで偽物にしかならないと思っていたので、はっぴいえんどのスタイルが妙にしっくりきました。自分の音楽でも日本の要素にこだわってる感じがするので多大な影響を受けています。

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たま『さんだる』

 こんなに明るくて怖いバンドないと思います。ストレートじゃない狂気が衝撃でした。たまぐらい特別扱いされる様に今頑張っています。
 以前ドライバーのバイトで車に人を乗せた時、たまのオゾンのダンスを流していて、サビにいく前にその人が気持ち悪くなって車を降りた事があります。たまの音楽の威力を感じ、ますます好きになりました。

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ゆらゆら帝国『ゆらゆら帝国のしびれ』

 ゆらゆら帝国はずっと夢中のバンドです。どんな曲をやってもゆらゆら帝国の色になっています。
 どの作品も好きなんですがこの「しびれ」では女性コーラスや打ち込みのビートを使っていて、坂本慎太郎が頭柔軟オシャレさんと言う事を決定づける作品だと思ったので選びました。

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浅川マキ『浅川マキの世界』

 私は特別不幸という訳ではありませんが、浅川マキを聴いた時は強く親近感を抱いたのを覚えています。その時から自分で音楽をやるとしたらこんな事をしたいと思っていました。どこからくる親近感なのか、なぜ暗い音楽をやりたいのか、自分でもよく分かりません。しっかりとした説明がつかぬままに始まってしまいました。

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戸川純『好き好き大好き』

 戸川純は歌手と言うよりも表現者と言う方がしっくりきます。私もステージに立つなら表現者でありたいと思います。
 特にこのアルバムで好きなのは「エンジェルベイビー」で、本来なら可愛いメロディーのはずのものを歌い方でガタガタに壊しているというか。意図的な破壊が変な気持ちにさせてくれます。

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Tiny Tim『GOD BLESS』

 TinyTimはアメリカ人のでかいおじさんで、小ちゃいウクレレを弾いて甲高い声で歌う人です。この人はアメリカの子供番組にも出ていたりするのに3回結婚したり、事件の噂も聞いたことがあります。そういったこちらを不安にさせて来る感じが清々しくて大好きです。
 影響されて古いウクレレを買ったりしています。

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民謡『花笠音頭』

 私は楽器が特になにも出来ないので、ボイスメモに口ギターのリフを残し、後からメンバーにそれを聴かせて何とかしてもらったりしています。そんな中で無意識に日本のリズムっぽいものが生まれる事もあります。
 三軒茶屋で友達が働くレコードショップに行った際、やたらと民謡レコードがあり、何枚も買ってしまいました。その中でも一番気持ちが高揚した曲が花笠音頭でした。幼少期、山形の祖父母といったお祭りの経験が、今の音楽にも滲んでいるのかもしれないです。

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DANDRESY『GIRL』

 DANDRESYはファンクヒップホップシニカルロックバンドとして活動中の宮城出身、都内活動中のバンドです。フーテン族メンバーでもあるドラム藤野、ギター勘吉が所属しており、グルーヴ感満載の好きなサウンドです。
 私が宮城に住んでいた頃から藤野、勘吉とは地元の友達で、かなり一緒にいたのですが、当時彼らだけバンドをやっていました。一度、遊んでいて彼らだけ途中スタジオ練習に行く事があり、スタジオ前で別れました。スタジオの扉が閉まる時に、なぜかすごく悔しい気持ちになったのを覚えています。私のバンドに対する憧れを作ってくれたバンドです。

かまやつひろし『ベスト撰集』

 これはコロナになってから、私がバンドをやりたくなってから、よく部屋で聴いていたアルバムです。
 メンバーもいないけどとりあえずステージに立ってみたいな、と漠然と考えつつ、ギターのコードを覚えていました。コードを五つほど覚え、スタンドバイミーか何かを弾けるようになった時、CDコンポのかまやつが猛烈に後押ししてくれている様な錯覚を起こし、すぐ高円寺に向かいました。無力無善寺という小さい部屋みたいな箱に行き、弾き語りライブの予定を組んでもらいました。一週間後持ち時間30分ね、とすぐ決まり、弾丸すぎる行動に後悔したのを覚えています。
 銀杏BOYZとかで起こりそうな青春の1ページみたいな物が、私の場合なぜかかまやつだったんです。

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古井戸『古井戸の世界』

 これはバンドを始めてから、もう1人のギターのそうたろう君が僕の誕生日に買ってきてくれたレコードで、僕らは魔のアルバムと呼んでいます。
 歌詞の中に「昼間から畳の上でほらごろ寝 ほらね……ひとりごと ひとりごと」とか「インスタントラーメンもう食べ飽きた…」とか、ダウナー系独り暮らしのあるあるがてんこ盛りなんです。そうたろう君の家で一緒に聴いた時、沁みすぎてジーンと来てしまい、二人とも古井戸病にかかっていた事が分かりました。
 今は大丈夫なんであまり聴かない様にしています。

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改めて「人生の転機になった10の音楽」を選んでみて。

 影響を受けた音楽について初めて文章にする楽しい機会でした。自分の人生の転機にはいつも音楽がある事が再認識でき、今自分が音楽をやれている事を幸せに感じました。素敵な機会をどうもありがとうございました。
 私のバンドのフーテン族はサブスクやYouTubeでもご視聴頂けます。特に最近は先日の大晦日のライブをYouTubeにまるっと載せたのでそちらも是非見てください。
ありがとうございました。

PROFILE

山下大輝

1998年9月8日生まれ
早稲田大学スポーツ科学部卒業後、フーテン族のボーカル、作詞を担当している。

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