FEATURE

2021.04.06

梅原江史の人生の転機になった10の音楽

FREEZINEが選ぶ「人生の転機になった10の音楽」シリーズ。
第9弾は、妖しい個性派バンドMUSHA×KUSHAの蟲役者こと梅原江史!

もしもその音楽と出会っていなければ、いまの自分はない。人は誰しもが、そんな人生の転機となった音楽を持っているもの。そこでこのコンテンツでは、各界のFREEZINEたちに、自分史上において転機となった10の音楽を選んでもらい、当時のエピソードと共に紹介していただきます。選ばれた音の並びから、人となりが見えてくる。

LOU REED『NEW YORK』

バンドブーム後期、同世代の皆と同じくロックの洗礼を受けた80年代後半。
ラジオから流れてきた「ROMEO HAD JULIETTE」からそれがロックなのか何なのかというのもわからないほどの衝撃を受けました。
いまにして思えば、自分にとってのロックという価値観を決定づけた運命の一枚。

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SONIC YOUTH『GOO』

中古CDを買い漁ってはバンドのメンバーとお気に入りを貸し借りしていた高校生の頃、全員一致でハマりまくったのがこのアルバム。
当時はグランジがシーンを席巻していた。その影響はどんなにいろんな音楽と出会っても自分の中で確かに脈打っている。
ネガティブなメッセージで語られることも少なくないと思う、グランジは。
だけど、聴いたこともないアグレッシブな音色がとにかくシンプルに心地よかった。

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岡村靖幸『家庭教師』

初めて付き合った女の子が教えてくれたのが岡村靖幸。
自分が人前で踊りを踊ろうと思ったのは紛れもなく岡村靖幸を知ったから。
そして、岡村靖幸をきっかけに自分にとっては親しみのなかったブラックミュージックへの入り口にもなりました。
余談。妻との馴れ初めはマシリトの印藤くんが「岡村ちゃんのファンが集まるクラブイベントがあるらしいから一緒に行こうよ」と誘ってもらった夜のナンパ活動。

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サディスティック・ミカ・バンド『天晴』

洋楽コンプレックスというのには思春期の頃には特に陥り易いものだと思う。
もれなく国産の音楽を避けがちになっていた少年の頃に辿り着いたのが桐島かれんを迎えて制作されたこちら。
XTCやDEVOなどを好んでよく聴いていたんだけど、これ以上ないフィット感だった。
音楽をより好きにさせてくれた個人的な思い出。

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THE SPECIALS『THE SPECIALS』

ライブコンサートのビデオをとにかくたくさん見ていた時期があって。「曲はいいけど絵面がちょっと」っていうおませな疑問を抱えていた。
バンドも解散してこれからやりたいことを自分の中で整理している時期だった。
で、ブチ抜かれたのがスペシャルズ。
純粋に音楽としても素晴らしいんだけど、踊れる音楽っていうのに一番アンテナが反応したのが白人黒人混成で踊りながら演奏するこのバンドだった。
衝撃だった。

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筋肉少女帯『ステーシーの美術』

友人をなくしてしまうことがあった。誰かを思い続けても叶わないことがあるのを知った。
オーケンの歌詞にはそういう虚無感の側に寄り添ってくれる、ある種の優しさがあると思う。
時期的にこれにはどっぷり浸かった。たくさん泣いた。

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SUEDE『DOG MAN STAR』

初体験というのを知らない頃、多分最後に好きになったアルバムかも知れない。
いろんな甘美な思い出もふえた。だが、しかし…。この作品に抱いた幻には少しだけ届かない。
いろんな勘違いを正されてきた。それを成長とも呼べるが。決して大人には踏み込めない領域が童貞にはあると思う。
魔性の音楽。

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SION『抱きしめて』

自分で歌詞を書くようになって特に聴き込んだのがシオンだった。
シオンは永遠の憧れ。
「30年」という曲は自分史に燦然と輝く生命の賛歌。いつかこういう歌詞を書いてみたいと思い続けている。
生まれ変わってもシオンの歌を探すだろう。

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GRACE JONES『LIVING MY LIFE』

クラブミュージックを語るときにグレイス・ジョーンズは源流のひとつだといっても過言じゃないと思う。
様々な音楽が彼女を通過して生まれた。それはこれからも変わることはない。新たに生まれる音楽も彼女の子供たちだ。

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PETE BURNS『NEVER MARRY AN ICON』

最後のこちらだけは配信で購入のシングル曲。テレビ番組では好奇の目にさらされることも少なくなかったと思う。
ひとに何かを発信することは、多くの視線に触れた分だけ、ときには批判もされる。音楽とは何だろう、そこからも解き放たれる決意の結晶だ。
彼のことを笑うひとがいても不思議じゃない。自分は勇気をもらいました。

改めて「人生の転機になった10の音楽」を選んでみて。

半生を振り返る様なセレクトはできたと思いますが、人生はまだ続きます。お楽しみはこれからだ。

PROFILE

梅原 江史(ウメハラ コウジ)

インディーズバンド「MUSHA×KUSHA」のパフォーマー。
1998年結成以降、ライブ総数は2000本を超える。
踊りを担当する他、作詞の多くを手掛けており、MUSHA×KUSHAにおける精神的支柱として知られる。

MUSHA×KUSHA Webサイト

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