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2021.07.27

ケーゴバイドクの人生の転機になった10の音楽

FREEZINEが選ぶ「人生の転機になった10の音楽」シリーズ。
第17弾は、都内で暗躍するドラマーのケーゴバイドク!

もしもその音楽と出会っていなければ、いまの自分はない。人は誰しもが、そんな人生の転機となった音楽を持っているもの。そこでこのコンテンツでは、各界のFREEZINEたちに、自分史上において転機となった10の音楽を選んでもらい、当時のエピソードと共に紹介していただきます。選ばれた音の並びから、人となりが見えてくる。

WHAM!『FANTASTIC』

洋楽好きの従姉妹の影響で小学3年生の時に小遣いで生まれて初めて買ったアルバム。当時媒体はカセットテープ。歌詞の意味なんてわかる訳もなく、ガキの俺にはどうでもよかった。全てはメロディーとリズム。この頃から80年代洋楽ポップス黄金期にハマっていく。まさに原点。

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RICK ASTLEY『Hold Me in Your Arms』

中学に入り、当時流れていた三ツ矢サイダーのCMで起用されていたM2「Take Me To Your Heart」でどハマり。ベビーフェイスから想像できない低音でソウルフルな歌声。中1で聴いてる奴なんて周りでは同じクラスの両角君だけだった。1~3曲目が4つ打ちのダンスビート調で、テンポ、構成がほぼ同じな為、授業中に頭の中でメロ構成を組み替えて歌っていた。周りとは音楽の話が合わず友達は少なかった気がする。

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METALLICA『Master Of Puppets』

中3で軽音部に入り初めてバンドを組み、多数決でJUN SKY WALKER(S)のコピーをやっていた時。同級生で別バンドのギターが「俺、今すげぇギターうめぇよ」と弾いて見せたのがM2「Master Of Puppets」冒頭のあのギターリフである。聴いた事のないギターサウンド、今聴けばきっとクソみたいな演奏だったろう奴の弾くリフに、当時の俺は雷に打たれたような衝撃を受けた。そしてこの頃より邦楽に全く興味がなくなる。洋物メタル期の始まりである。因みにドラマーのラーズ・ウルリッヒはドラムを叩く上での「姿勢」において最も影響を受けた一人。

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MEGADETH『Rust In Peace』

初期METALLCAに在籍していたがクビになったギタリスト、デイブ・ムスティンが「メタリカ超えるバンド作るぜ!」と逆ギレして作ったバンド。同級生に借りたテープの中にM7「Tornado Of Souls」最後のギターソロ後50秒だけが入っており、なんちゅー恐ろしくかっちょ良いバンドだ!!と一気にハマる。俺的には『Master Of Puppets』と天秤に掛けてもどちらにも傾くことはない同じぐらい大切で最高なアルバム。

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HELLOWEEN『Keeper of the Seven Keys,Pt.Ⅱ』

高校に入ると新たな人との出会いと共に新たなメタルにも出会う。ジャーマンメタルだ。ハイトーンボイスに美メロ、高速ツインギターからなる超絶ギターソロ、そして高速ツーバス。この頃の俺はこの要素のどれが欠けてもバンドとは言えなかったし認めなかった。ジャーマンメタル原理主義時代の始まりである。

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BLIND GUARDIAN『Tales from the Twilight World』

ジャーマンメタル界の中でもその世界観は唯一無二。ドワーフ、エルフ、ドラゴン、剣と魔法。ファンタジー要素満載の歌詞に、オペラの様な美しいコーラス。ジャーマンメタルの可能性に更にハマっていく。因みにこのバンドもMEGADETHを俺に教えた友人の別テープにインスト曲であるM3「Weird Dreams」のイントロだけが入っていたのが出会い。この頃から洋ゲーに興味を示し出す。

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MR. BIG『Lean Into It』

高校3年、ジャーマンメタルに支配されていた俺の前に突如として現われたのが超絶技巧スタジオミュージシャンからなるスーパーバンドMr. BIGである。楽曲の良さ、個々のテクニックはもとよりロックキッズ達の度肝を抜いたのは、M1「Daddy,Brothe,Lover.Little Boy」ギターソロでポール・ギルバートがマキタの電動ドリルの先にピックを取り付け、高速回転させたそれで弾くという荒技だった。しかもベースのビリー・シーンも一緒に。またロック史に残る名曲M11「To Be With You」は暇さえあれば聴いていた。

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Third Eye Blind『Third Eye Blind』

21歳、当時組んでいたバンドのリハが横浜ペンタで、そこの受付のモニターで流れていたM3「Semi-Charmed Life」のMVでハマる。アルバム全体はミドルテンポの曲が多くまったりとした感じがし、ジャーマンメタルあがりの俺には何か物足りなく当時はM3ばかりを聴いていた。が、その後様々な音楽に触れることで、このアルバムの真の素晴らしさを知る事ができた。無人島に持っていくならこの一枚、全てのアルバム捨て曲なし、と言うほど今では俺の音楽ライフには欠かせないバンドの一つになった。一番好きなバンドは?と問われたら迷う事なく彼らの名を上げる。実はドラムのリズムパターンやオカズなどはかなり影響受けているしパクってる。

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Weezer『Weezer』

今は無い地元のレンタルビデオ店でバイトしていた時、店の有線で流れていたM4「Buddy Holly」でハマる。当時は「泣き虫ロック」などと評されたが歌詞に興味がない俺には、どこら辺が泣き虫なのか全くわからなかったが、全ての曲のメロディーに切なさは感じていた。この頃はまだ「エモい」なんて表現はなかったが、それを感じさせてくれた初めてのアルバムなのかもしれない。

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QUEEN『Greatest Hits』

聴き始めたのは遅く、存在自体は高校時代に知っていたが当時ジャーマンメタル教信者だった俺には全く興味がなかった。初めて聴いた曲は多分M5「Bicycle Race」で「チャリンコの歌?なんじゃこりゃwww」と、まさに聞く耳持たなかった。が、ある時QUEENの曲を日本語直訳で歌う「女王様」なる人物が登場。正体は爆風スランプのギタリスト、パッパラー河合氏。そこで歌っていたM1「Bohemian Rhapsody」(直訳バージョンは女王様物語)で本家にハマっていく。人生の中で最もヘビロテしたアルバムかもしれない。何度聴いても新鮮で全く飽きない。もっと早く生まれて生でライブを観たかった。

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改めて「人生の転機になった10の音楽」を選んでみて。

最初は「えー!!10も!?そんなあるかな~」と不安でしたが考え始めたらどんどん出てくる出てくる!もっと紹介したいアルバム、曲達が沢山ありました。
従姉妹のお陰で洋楽に触れる機会が周りより早かったと思います。そのせい?なのか、冒頭で述べたように歌詞の内容よりもメロディーとリズムの心地よさが自分にとって重要だったんですね。それは今も変わません。折角早い段階で洋楽に触れられていたのに、今も英語力0なのは我ながら残念で仕方ないです。
選んだアーティスト、アルバムは、どれも古く洋楽ばかりですが、今の俺の音楽癖を作ったのは紛れもなくこの10枚です。(実際まだまだありますが)新しいものが必ずしも今に合ってる、表してる訳じゃないと思う。古くても今に合う、今だからこそ聴くべき曲ってのが沢山あると思います。新しい音楽は勿論、もっともっと知らない過去の名曲達に出会いたいですね。

PROFILE

ケーゴバイドク

《都内で暗躍中のドラマー》
ネイキッドパンクバンド『バイドク』にたないけん率いる『ジョズエ』のドラム担当。

バイドク動画

ジョズエHP

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