FEATURE
2021.08.31
FEATURE
2021.08.31
もしもその音楽と出会っていなければ、いまの自分はない。人は誰しもが、そんな人生の転機となった音楽を持っているもの。そこでこのコンテンツでは、各界のFREEZINEたちに、自分史上において転機となった10の音楽を選んでもらい、当時のエピソードと共に紹介していただきます。選ばれた音の並びから、人となりが見えてくる。
KONAMIの音楽ゲームDanceDanceRevolusionのサウンドトラック。
ゲームとコンピューターが大好きな中学生だったので、聴いている音楽といえばコレ。
KONAMIオリジナルの曲もそうなんですが、有名洋楽のダンスアレンジが多数収録されており、情操教育に大きく寄与しました。
当時からテレビもあまり見なかったので、音楽を聴くということはほぼダンレボをやることに等しく、サントラで曲を聴いていくうちに音楽っていいなぁと思い始めたのです。
ゲームセンターにオタク数人で集まって、毎日音楽ゲームや格闘ゲームに興じて、夕方には帰って。今日のプレイの反省をして、明日に向けて家庭用ゲームで練習する毎日でした。
その後ドラムマニアやギターフリークスなどの音楽ゲームをやっていくうちにバンドに興味を向け始め、14歳の頃バンドマンになりました。
踊るの楽しい!!ダンスミュージック最高!!!という気持ちは今も変わっていませんが、この頃に熟成されたもののように思います。
当時、「歌詞が大体同じ」という暴力的な理由で日本語の音楽はあまり聴いていなかったのですが、高校の同級生に勧められてcali≠gariにハマりました。歌詞がとにかくよかった。読んでも聴いてもいい歌詞に出会った初めての経験です。
いわゆるビジュアル系バンドではあるんですが、MALICE MIZERのようなコテコテ系しか知らなかった僕には衝撃的でした。
同時にムックやグルグル映畫館にも手を出しますが、cali≠gariのジャンル横断感を味わってしまった結果、見事に音楽オタク高校生になってしまいました。また、これを機に日本の音楽も聴けるようになっていきました。
初めてファンクラブに入ったのもcali≠gariで、バンドに対する姿勢みたいなものの半分はcali≠gariのファンサービス精神から学びました。
Cali≠gariを勧めてくれた同級生から、CornleiusやYMO等も勧められたのですが、一番ハマったのはPOLYSICSでした。
歌詞に意味が全くないのも初めての経験。かつ、めちゃくちゃ元気なオタクだということがとてもよかったですし、「音楽が好き!」という気持ちで音楽やっていいんだと気づきました。
そして、シンセサイザーってかっこいいな……これからの時代はシンセサイザーを使えるようになるべきだろ……と、テクノ、ニューウェイヴに傾倒していくきっかけになった1枚です。
Cali≠gariもPOLYもそうなんですが、歌詞や音楽愛にひっかかりやすいみたいです。
さぁ!シンセサイザーならテクノを聴かねば!どうやら電気グルーヴというアーティストが有名みたいだ!と買ったのがVOXXXです。
意気揚々と、親の車の中で買ったばかりのVOXXXのCDを再生してみると、ただ挨拶をされるだけのトラックの後に、人がドラムっぽい声を出しているトラックが再生されるのです。
テクノって……わけがわからない……と驚愕し、しかしなぜかハマってしまいました。テクノ初体験がVOXXXなのは確実に悪影響だとは思うんですが、変な人を生み出すのでおすすめです。
変なアルバム扱いされているのもわかっているし、メンバーが卓球と瀧の二人だけになってストッパーが誰もいなかったということもわかってはいるんですが、VOXXXってみんなが言うほどキテレツすぎるものではないんですよ。冒頭2曲とエジソン電がちょっとだけイってるだけ!
東京に行こう、東京でバンドをやるんだ!と福島の海沿いで決心していた頃に出会いました。
地元でバンド活動を繰り広げていた高校時代に、東京のバンドってどんなバンドがいるんだろう?と気になってYoutubeで調べてみたところ、ニューウェイブのバンドがたくさんいることを知り感動したのを今でも覚えています。
そのニューウェイブ界隈のバンドが大集合している!??!CDが!!?!?!?と通販で入手。
アーバンギャルドが収録されていたり、neuronがいたりとメンバーは非常に豪華なオムニバス。
後に、このCDに収録されているピノリュックが解散し、そのメンバー数人で結成されたバンドであるカタカナに、僕は大学の先輩づてで紹介され加入することになります。これが一番の転機かもしれないですね。
電気グルーヴの石野卓球ってソロもやってるんだ!と石野卓球ソロを漁って、やっとテクノがどういうものか分かったのがこの曲。厳密に言えばKARAOKE JACKというアルバムに収録されています。やたらワム!っぽいので耳馴染みがよかったんだろうな。MVが秀逸です。
たしか最初に買ったアナログ盤です。上京して一番最初に行ったのはレコード屋でした。福島の田舎には売っていないCDやレコードが山のようにある。ここは天国か……とはしゃいで、銀行口座に入っていたお金の4分の3くらいをタワレコとディスクユニオンにつぎ込みました。
買いすぎて金が無くなり、ヤケになって残りの4分の1で宝くじ買ってみましたが、見事外れてしまい大変な思いをしました。
信仰を感じたのはこのEPでした。
音楽はどこまでも自由で、何にも束縛されず、ただ気持ちいいだけ、ただ美しいだけでよい。そういう神秘かつ真理を我ら下民に啓示していただけたのは本当に人生の転機でした。ありがとうございます。
メタル調のギターに、原型がわからないほどGlitchされたドラム。一瞬で虜になりました。2曲目でピアノとドラムのシンプルな曲が展開されます。振り幅どうなってんだと圧倒されました。
今では立派なAphexTwin信者です。誇り高い気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。
もっとAphexTwinみたいな音楽が聴きたいなぁとインターネットの海に潜ると、そこにはインターネットレーベルの海が広がっていて、どうかしちゃってる人がたくさんいました。
その中でも一番気に入ったのが鯖缶のこのVA。アーメンブレイクを使った曲が30ファイル以上入っているという狂気のアルバム。
Your loveletter is in my shredderというトラックが最高です。RADWIMPSのふたりごとをサンプリングして、ギリギリ歌詞が聞き取れるレベルにカットアップしていて、途中急にガバっぽい展開になったり、ベースラインでブチあげてきたりと、本当に素晴らしい。
インターネットには未来があると確信するに至り、ネットレーベルものを聴き出したのがこのアルバムです。CDでもレコードでもなくmp3データで配布されたものなので、、、1枚、、、と数えるのは、、、申し訳ないですが、、、あともう手に入らない、、、ですね、、、。
作曲を始めてみようと思ったのはこのアルバムがあったからです。
HIPHOPといえば日本語ラップばかりを聞いていた頃に衝撃を受けた1枚。ビートミュージックへの入門を果たすことになります。
大学時代、友達の家で誰かがDJをしながら宅飲みする文化があったので、毎日~毎週必ず新しい音楽を聴いていました。もちろんお前も知ってるよな!と言わんばかりに当たり前のように出てくるFlyingLotusを僕はなぜか知らず、大はしゃぎでこれはすごい!めっちゃいい!!と叫んで喜んでいました。同じ日にFour tetとかGold pandaとかも聴いてたな。
クラブに行ったり、DJをするようになったのもこのアルバムに入ってる曲をかけたかったから。Flying Lotus、みんな知ってるし大ネタだしであんまり効果的じゃなかったですけども。
FlyingLotus作品の中でも一番POPで聴きやすいんじゃないかなと僕は思ってます。
バンド活動をして、作曲を始めて、DJをするようになって。学校も音楽系なので毎日音楽漬けの生活をしていました。もちろん卒業しても就職もせず(できず)、ちょこちょこ降ってくる作曲の仕事で糊口を凌いでいたのですが、急にご縁がありGEEKSに参加することになります。GEEKSって、、、メジャーリリースあるじゃんか、、、と尻込みしながらも、サポートキーボードマニピュレーターとしてステージに立つことになりました。
それからというもの、ボーカルのエンドウ.さんにお仕事に連れて行っていただけるようになり、それから段々と自分の仕事も増えていくようになりました。
足を向けては眠れないCDです。ちなみに40曲入ってます。
いやーーーー10枚じゃ足りなかったっすね!!!!!ya!!!
普段聴いてる音楽とはまた違ったセレクトになるのが面白かったですね。
あと邦楽が思いの外多くて安心しました!笑
aka Souichiro Igari
福島県双葉郡大熊町出身、東京都板橋区在住。
音楽制作チーム wave technique主宰
大学在学中に音楽制作を始め、広告音楽フィールドでの活動を開始する。
電子音楽を主軸にTVCM、WEB広告のBGM制作、サウンドロゴ制作を行う。
マニピュレーターとしてカタカナ mizuirono_inu 等のバンドで活動を行い、Persians,GEEKS,悲撃のヒロイン症候群等のアーティストサポートも行う。
2014年東京芸術劇場にて自作タッチパネルを用いた8chサラウンドインスタレーション作品Pythagorasを展示。尚美学園大学より音響賞を受賞。