COLUMN

2022.07.19

「文系恋人放浪中」by 赤城文 第7回 /可哀想な男が好き

またコラムのお題が前後してごめんね!
次回のコラムはやたら皆様から楽しみだと言って頂けたのですが表現が主となるコラムが2回続くと3歳児が飽きちゃうからエロい話もたまには混ぜとくね。みんな好きそうですし!

皆様がダンマリムッツリアングラスケベオヂだと聞いて…(いいえ私が勝手に言いました)

前にDJイベントの際にも言いましたが、わたくし男の人が精神的に可哀想なシチュエーション大好きです

最近、塚本晋也監督の映画「六月の蛇」や現在放送中のドラマ「ロマンス暴風域」を見ていて確信に変わりました。なぜそうなったかを今から説明しますね

ロマンス暴風域は男性が意中の風俗嬢をいつまでも引きずり拗らせ「サセ男」になっていく都合の良い男の本音と生き様が描かれたもので原作も凄く良かったです。私は男性視点版の魚喃キリコだと感じました。

映画「六月の蛇」は乳癌で乳房を取れば命が助かる妻に対して反対する旦那が惨すぎる罰を喰らうシーンがございまして、

そのシーンを終演後のトークショーで塚本晋也監督が「父親という生き物に対する自分の気持ちが出たのかも」的な事を語っており、それを聴いて私の可哀想な男好きになったのは復讐心が一周まわったのかなって思いました

なぜ復讐心が生まれてローストチェリーマーケットで男をなじる曲を過去に書いたのかも今から語ることに含まれているのですが

私が今までの人生で出会った(父親、先生、クラスメイト、バイト先、街、音楽の世界など)殿方は

みなプライドが高くて己が傷つきたくないから他人を傷つけてしまい、可愛くない奴らばかりで余計な事を言ったり余計なことばかりして

他人の人生をエゴやエロや鬱で台無しにする奴らばかりだったので

人の心がない失礼で教養のない男ばかりだなぁ…男性はみんな傷つかないんだろうな


って本気で勘違いしていた。それぐらい見てきた人たちみんな傲慢だった


でも、おとぎ話というバンドの「理由なき反抗」というアルバムに出会って「男の子の可哀想」がこの世にある事を知りました

私は今まで可哀想な女の中にある強い生命が宿る作品ばかりを摂取してきて男が可哀想な瞬間がある事を知らなかった

女の子の前ではカッコばかりつけて傷ついても強い態度で隠して振られ続けても恥をかかないようにちょけたり弱った女を踏み台にしているように見えて弱った自分に寄り添ってくれる女を必死に落とし込んだりして、

裏では男友達と泣きながら失恋話をして飲み明かしたり、寂しさを必死に友情で埋めたり、中々マッチしないマッチングアプリをスワイプしたり、アダルトビデオを羨望の眼差しで見た後に虚無感に襲われたり、外ではカッコつけてる分家では彼女の膝枕や料理ににゃんにゃんしすぎて見限られたり

強い態度から裏を読み取った途端にジャンジャン情けない面が出てきて

なんて情けなくて可愛いのだろうと「男の可哀想」にギャップ萌えが生まれました。

「カッコいい俺像」が崩されてしまうようなシチュエーションが好きなんだと思う

こういう情けない部分って特別な人にしか見せないだろうからその特別感みたいなのが女性とは違ってまた面白いなぁと

一概には言えないけど女性が特別な人に見せる姿って家事とか労りとか気合いの入ったおしゃれを文句も言わずに日常に化けさせて行う無償の愛的な無言の奉仕タイプが多いのかなと。

女性は強さで特別を与えて男性は弱さで特別を見せるパターンが多い気がする

基本的に男性の特別ってプライドを崩す以外には、眠い時間や遠い場所でも会いに行ったり普段は買わないようなプレゼントを一生懸命選んだり長電話に毎日付き合ったり忠犬を感じさせて好きです

女々しさとか甘ったれている姿が好きなんじゃなくて健気で情けないぐらい必死になっちゃうかわいさが好き

好きな女の子がお姫様でいれるようにダメダメでも王子様になろうとする健気さね

困った顔も焦った顔もしょげた顔も好きですね。それが全部自分に向けられたものなら尚更。

可哀想な男の気持ちが表れている歌で好きなものを今から紹介するので男心が泣いた時に聴いてください

・恋はPEACH PUNK/黒猫チェルシー

少年性のある歌声も好きですし「ぼくのエロいとこ全部見せちゃいますけど どうしようもないからこんなやつだと思って」という一切格好つけない情けない男心の本音が出ていて可愛いです

・フール・フォー・ユー/ルースターズ

この曲が収録されているアルバム「THE ROOSTERS」の中に女性に対して身勝手な気持ちを表す曲がある中で突然「今夜はお前の意のままに」とか言い出すつい情けなさと本性が出た感じと忠誠心が好きです

・ネオンBOYS/おとぎ話

私が男の可哀想を知るきっかけとなったアルバム「理由なき反抗」に収録されている一曲目なのですが、男の人同士で慰め合う感覚になれる曲なんじゃないかなと思います

・ハイ・ベイビー/サディスティック・ミカ・バンド

一人でミステリーを読んでいた夜明け前に寂しくなって電話をかけたくなる人間味溢れる男の可哀想さがあって好きです。みんなも寂しい時は寂しいって好きな人に言おうね。別に「寂しい」は女性だけのセリフじゃないよ

・EASY LOVE/上坂すみれ

これは可哀想な男を想い、更に虐げる女性目線の歌なんだけど「好きだから好きなだけ台無しにしたいの」ってストレートだけど誰も浮かばなかった言葉だし、これが病みソングでも男性目線の曲でもなく情けない男の姿が好きな女性目線なのがグッとくる

他にも本気で可哀想な男の作品があれば教えて下さい!以上ただの性癖披露でした!

みんなもマゾはマゾでも幸せにはなってくださいね。

次回、やっとの「尊敬する方々に赤城文を褒めて頂いた」です⭐️

PROFILE

赤城 文(アカギ アヤ)

2000年11月28日生まれ 東京都出身
セルフプロデュースアイドルグループ「あたし全部あげる。」のドールレッド担当と実の双子の妹(innesの可愛唯)と共に「ローストチェリーマーケット」として活動中。
主に作詞と振り付けを行なっている。

Twitter

Instagram

あたし全部あげる。 公式Twitter

あたし全部あげる。公式YouTubeチャンネル