STUDY
2018.10.17
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2018.10.17
国民年金、国民健康保険、介護保険、雇用保険…
これらは、所得税を計算する際、その全額を社会保険料控除として、控除できます。
サラリーマンにとって、社会保険は、勝手に徴収されてしまうものでしたが、
フリーランスになると、自ら、納付書を管理して支払います。
後で払うことができてしまう分、資金的に厳しいと、国民年金はあとで・・・ということもあるかもしれません。
年金制度自体について、先行きにいくら不安があったとしても、されど公的年金。
どうしても支払いができない場合には、免除・猶予制度も検討しつつ、余裕ができた時にはぜひ過去分もまとめて支払うなど、フリーランスだからこそ、将来のために備えてほしいと思います。
なお、過去分の国民年金をまとめて支払ったという場合にも、払った年分の確定申告でその全額を控除できます。
サラリーマンは、厚生年金保険料を会社が半分負担する形で、将来に備えています。
フリーランスの方は、このような年金の2階建て部分はありませんので、将来に自身で備える必要があります。
ここで、ぜひ検討していただきたいのが節税効果も兼ね備えた小規模企業共済です。サラリーマンは加入することができない、フリーランスの特典です。
国の機関である中小機構が運営しており、小規模企業の役員、個人事業主などのための積み立てによる退職金制度です。個人事業主から将来法人成りしても、引き継ぐことができます。
(※業種により従業員が20人以下など加入資格には一定の制限があります。)
掛金は月1,000円から70,000円まで自由に設定・変更でき、その全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)できます。
ということは、最大70,000円×12ケ月=840,000円 年間84万の所得控除を受けることができ、一番高い税率が適用される方にとっては、所得税45% 378,000円+住民税 10% 84,000円 計462,000円の節税効果があるということになります。
共済金は、納付掛金月数が6か月以上あれば個人事業を廃業する際に受け取りができ、一括、分割、一括と分割の併用の選択が可能です。
一括受け取りの場合には、退職所得扱い、分割受け取りの場合には公的年金の雑所得扱いとなり、受け取り時の税も優遇されています。
仮に掛金月額1万円で
5年間加入していた場合には、廃業時に621,400円(掛金合計額:600,000円)
15年間加入していた場合には、2,011,000円(掛金合計額:1,800,000円)
の共済金を受け取ることができます。(中小機構HPより)
任意に解約することも可能ですが、掛金納付月額12か月未満の解約は、解約手当金が受け取れず、また、掛金納付月額が240か月未満では、解約手当金が掛金合計額を下回ることになりますので、注意が必要です。
そのリスクに備えるという点では、今いきなり月70,000円は無理でも、とりあえず1,000円でもいいので早めに加入を行い、掛金納付実績を稼いでいくというのも一つの方法です。
事業をしていると、資金の緊迫する時期もあるでしょう。その時に、借りることでのできる先、借入枠の当てがあることは、精神的に非常に重要です。
掛金の7~9割の範囲で、10万円以上2,000万円以内の借入をすることができます。
余裕があるときには、所得控除で節税をしながら、資金を逃がし、いざという時に備えられる体力をつけましょう。
都市銀行、地方銀行、信用金庫、商工会議所などが、窓口となっています。
まずは、ご自身が口座をもっている金融機関窓口などで書類をもらうなどして、手続きを進めてください。下記HPからも、書類の請求ができます。
今年所得が多そうだという方は、前納を検討してみてください。金融機関の年内窓口取扱い時間までに最大掛金月額7万円×12か月840,000円を前納という形で支払えば、今からでも最大84万の控除を増やすことができます。
契約申込書に「現金あり」「現金なし」欄があるので、必ず「現金あり」を選択し、「申込時前納掛金額」欄に金額を記入し、申込時その場で現金納付を行うことが重要です。
(間違っても口座振替としないように。来年の引落しなんてことも・・・)
新卒でコンビニの店舗運営部に入社するも、ハードワークに将来を悩み転職。シンクタンクの財務経理部に入るも、単純作業に心が折れ退職。資格で生きることを思い立ち、経験を蓄積できて様々な方とお付き合いのできる税理士に魅力を感じて会計事務所に就職。
顧問先様の“心地よさ”を重視した節税提案をモットーとしています。隠れ目標は、大事なものを大切にしながら働くことを諦めない業界にすること!
趣味は登山(次注目する山は甲斐駒ヶ岳)、剣道(四段に向けて修行中!)、運転(気になる車はプジョー3008)です。