COLUMN

2020.12.08

「有名な夢の中で、」 by KooK 第6回/騒音の中で、

ガチャ。ザーッ。

トイレで排泄物を流した。

流されていっている。アンチテーゼを謳って
いるが、蓋を開ければ、生理現象のままに生きている。嗚呼。


よくデートでいったのが三鷹駅近くの高架橋だった。階段を上がる手前に、太宰治がそこで撮った写真があり、モニュメントされている。治さんからも沢山影響を受けた。

股を肩幅に開き、股の下を電車が通り過ぎる瞬間、ゾワっとする、何度やっても身震いするのだ。そういった願望がある訳ではない。ただ膝蓋腱反射のように自分の反射を楽しんでいた。
そして、相手の反応も。


心理戦が大好きだ。必殺技を繰り広げ、結局最後は勝つ物語はつまらない。手も足も出さず、淡々と推理・考察し、行動する。そんなストーリーに惹かれる。

男と女となると無理だ。駆け引きなんて捨てて、猪突猛進、角を使ってツマラナイ技を出すが、豆腐に鎹になってしまう。


ライブする場所が決まった。前に書いた、紅い絨毯が敷いてあるアソコだ。形になっていないフワフワな想いを受け止めてくれると思った。

それに向けて、扇風機のヌル~いカゼを受けながら、カチカチと音を打っていった。


エアコンのない部屋に引っ越していた。夏は汗が恒久的に湧き上がってくる。窓を開けると車のエンジン音が轟いている。近くに開かずの踏み切りがあり、常に前の道路は渋滞していた。アイドリング音とクラクション音が1Kの部屋に休みなく入り込んできた。


専門の時に少し触った、音をプログラミングして作るソフトウェアを買っていた。GUIがシンプルな所や思った通りの音にたどり着くまでには工程が沢山あるので、取っつきにくいソフトだが、ネットで調べながら組んで行ったら思いの外、面白くてハマっていった。

そのアプリの基礎を学んでいた頃、とある美大で非常勤講師として働いている人に辿り着く。

その生徒達と一緒にイベントを開くとの告知があったので横浜に向かった。
正確には馬車道。アヴィロードに見える横断歩道も近くにあり、そこで美大生をI'll get you! できないかなと、淡い想いと一緒に。

その展示やパフォーマンスはとても趣き深いものだった。音を出した表現もあった。おしい、とも思った。これにもっと意図的な音が入れば聴衆が飽きずに居てくれるのではないかと。

ほぼそこの学生だった。少しお菓子を貰いながら話をした。刺激になった。成果物に興味が向き、下心は落ち着いていた。


部屋の中で音ネタを録り始めた。いわゆるサンプリング。半径2m以内のモノを叩いたり、擦ったり、弾いたり、その音色に感化され、曲にしていく。リアルな汗を流しながら、打ち込んでいった。音響派やミュージック・コンクレートに影響を受けいた頃でもあった。


うぅ腰が痛い。ずっと座っていたからかな?
うぅどんどん痛みが強くなってくる。。

増五度、臓5度、Aug5!
不協和音が纏わりつく。

うぅヤバイ、救急車呼ぼう。
ピーポーピーポーピーポー

すぐに来た!

長三度、超三度、M3!


しかし、病院が決まらず、ずっと停止したまま。痛みは更に増し暴れる。救急隊にベルトで縛られる。痛みはさらにさらに増し増し。
救急隊に暴言を吐く。あの時は、ごめんなさい。

うぅ変な汗も出てくる。気を失えばいいのにと思う。病院に着いた。その頃は過呼吸になり痙攣していた。



KING of PAIN.

後で知ったけど、そう言われている。尿路結石だ。

ケツに注射を撃たれて、落ち着いた。

腎臓に石ができて、それが尿路に引っかかると激痛がくる。三箇所くらい細いところがあって、痛みもその度にくる。

起因は水分不足や不規則な食生活、生活習慣病だと思っている。その後も何度がなり、今だに落ちてこない石が三つ、腎臓で眠っている。

対処法も分かった。シンプルに水分を取り動く事。ジャンプジャンプ!これを書いていると股間の横辺りが疼く。あの痛みは忘れられない。



シャアー。赤い尿が出た。


坊やだからさ。大気圏に続く。

PROFILE

KooK

キッチュなニッチを探る音のカラダ。
悶々と仮説を立てて実験を繰り返し、琴線に触れるアレを巡り、
個人的なWARを起こす”逸脱音楽家兼サウンドアート発動家”
此節、音と映像のアルゴリズム解析中。

twitter

YouTube