FEATURE
2022.02.15
FEATURE
2022.02.15
もしもその音楽と出会っていなければ、いまの自分はない。人は誰しもが、そんな人生の転機となった音楽を持っているもの。そこでこのコンテンツでは、各界のFREEZINEたちに、自分史上において転機となった10の音楽を選んでもらい、当時のエピソードと共に紹介していただきます。選ばれた音の並びから、人となりが見えてくる。
「鋼の錬金術師(通称:ハガレン)」にどハマりしていた小学生僕。
毎週のアニメや単行本、ゲーム、映画、漫画雑誌、アニメ情報誌などなど、小学生で追えるものはひたすら追いかけ続けていた。
そんな僕の姿を見て、ある日突然父親が買って帰ってきてくれたのがこのCD。
豪華なブックレットと共に「ハガレン」のオープニングとエンディングテーマが全て収録されていて僕歓喜。父親のCDプレイヤーを無断で使用し、母親のMDプレイヤーを奪い取り毎日のように聞いた。
早朝に目が覚めてしまった時には、みんなが起きるまでアルバムを何周も何周もして、僕の考える最強のオープニングアニメを脳内で作ったりするのが至福の時だったな。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONやL'Arc〜en〜Cielを知るきっかけにもなった素晴らしいCDだと今となっては思う。
ハガレンのCDを通じて、もっといろんな音楽を知りたいと思い始めた小学生僕。
そんな時に近所のガキ大将が勧めてくれたのがこの1枚。ボーカル3人のロックバンドなんて斬新だったし、とりあえず流行りすぎててみんな聴いてたよね。
ストレートにかっこよくて自由なバンドサウンド、3人のボーカルによる耳に残る歌メロディ・ラップ、あとどの曲も歌詞が良い。とにかく音楽の楽しい部分を教えてくれるそんな1枚だと思う。
今聴いてもめちゃくちゃかっこいい。
Tr.15の「papa」は最強のエモ。
引くほど厨二病だった中学生オレ。
アニメ漫画に加えてライトノベルやエアガンにハマり、哲学とか心理学とか魔術とかの本を読んでいた。群れないオレはまじでかっこいい。選ばれた存在だと信じて疑わなかった。
そんな選ばれた存在にはぴったりの1枚。このくらいからギターという楽器を意識的に聴くようになった。
かっこいいのは言わずもがな。L'Arc~en~Cielの様々な一面がこの1枚にぎゅっと集約されているので、あまりラルクを知らない人はとりあえずこれを聞いてほしい。かっこよさもかわいさも全部わかるから。
最初に入った部活が合わず、1年くらいで辞めた高校生俺。
このあたりで軽音部に入部して初めてギターという楽器に触ることになるのだが、当時はあまり多くのバンドを知らないかつ「テレビに出てるアーティスト=すごい音楽」みたいな感覚がどうしても抜けず、みんなの会話について行けなかった。このCDはそんな自分のクソ概念をぶっ壊す衝撃的な1枚だった。
知った時にはもう活動休止をしていたため、ライブを見に行くことはできなかったが、CDを聴きまくって、ライブ映像を見て、バンドスコアを購入してひたすらギターを練習した。ELLEGARDENギタリスト:生形真一さんの出す音に憧れて、とにかくひたすらに、プライドとかも捨ててギターばっか弾いていた。
間違いなく今の自分を作る大きなきっかけになった1枚だと思う。
ギター楽しい!高校生俺。
音楽をたくさん知りたいと思いCDショップやインターネットを駆使してるうちに出会った1枚。自分の中のTHEロックバンドといえばこれ。Tr.5 Blurryは確かゲーム「エースコンバット5」の挿入歌だった気がする。この曲が一番好き。
バンドを語る上で別のバンドの名前を引き合いに出すのはあまり好きじゃないんだけど、ニルヴァーナが好きだったらぜひ聞いてほしい。もうこの一言でどんなバンドか想像つくよね。さっきも出したTr.5 Blurryは寝起きに聞くと目が覚めるし、帰り道に聞くと世界救った気分になれる。
バンドサークルに入った大学生僕。
当時4年生の先輩にこの東京カランコロンのコピーバンドに誘われたのだが、選ばれし存在の僕にまだ知らないバンドがあることが当時悔しくてたまらず、「あーカランコロンね、いいですよ」と知ったかぶってOKした。
OKしてからしっかり聴いたのだが、僕が今まで触れてこなかったようなめちゃくちゃポップでキュートなサウンドが新鮮でまんまとハマってしまった。男女ツインボーカルが耳に心地よいのだが、よく聴いていると楽器隊が「こんなこと普通やる?」みたいなアレンジを平気でやってくる実に聴き応えのあるバンドなのである。ギターっていろんなアプローチができる素敵な楽器だなと改めて感じて、それが今の自分にも結構いきている。
この先輩とは今でも仲良くしてもらっていて、そういう意味でも素敵な出会いの1枚だった。
東京カランコロンと同じ時期に、別の先輩に教えてもらった1枚。
これに関してもコピーバンドで誘われたのだが、聴いた時の「なんだこれ!今まで聴いたこともない!こんなバンドがいるのか!かっけえ!」とものすごくワクワクしたのを覚えてる。
コピーバンドは速攻OKを出し、早速コピーに取り掛かるのだが、どの楽器も難解&凄まじいテクニックでほとんど満足のいくコピーはできなかった。
最初聴いた時は無機質なサウンドという印象だったが、しっかりこの1枚と向き合ってみた後だと、無機質の中にどことなく人間の体温を感じる作品という印象に変わっていた。
この先輩は今も音楽を続けていて、ライブハウスでたまに共演するたびに当時のことを思い出す。
ライブハウスに出演するようになった大学生僕。
今よりもうちょい尖っていたため、あまり他のバンドにも興味がなく、「別にこういうライブハウスに出ているバンドはみる必要もないかな」みたいな舐めた態度をとっていたのだが、そんな僕のクソボケ概念に鉄槌を食らわせ、粉砕してくれたのがこのバンド。
なぜこのバンドの演奏を見たのかあまり詳細に記憶していないが、とにかく自分の心が強く大きく動かされたのだけは覚えてる。
Tr.3 六月ノ雨ニ討タレテ という離れた故郷を想った曲をとにかく聴いてほしい。
今でも音源を聴いたりライブを見たりしては、やっぱりかっこいいなと奮い立たせられる、そんな大切な1枚。
ギターめっちゃ楽しい!大学生僕。
色々な音楽に触れていく中で特に気に入ったのが「マスロック」というジャンル。
ポストロックの中の1つとされていて、複雑で変則的なリズムとテクニカルな楽器隊が織りなす前衛的なサウンドが特徴(とりあえず聴いた方が早い)。そんなマスロックになぜだかどんどんのめり込んでいった。その中でも特にお気に入りの1枚がこれ。
言うなれば超ご機嫌なマスロック・マスハードコア!とにかくかっこいいリフと変拍子!「友人のパーティーの余興のバンドだったけど、好評だったからアルバム出したぜ」みたいな感じの緩めのバンド。
僕のやっている同じく活動緩めのインストバンドMYOOTS!を結成するきっかけ、そしてその活動方針にも大きく影響を与えている1枚。
fulusu、MYOOTS!、mizuirono_inuの3バンドのギタリスト僕。
僕のギタリストとしての音楽活動にとてつもない影響を与えたのがこの1枚。いつどこでなぜこのCDに出会ったかは覚えてない。意味不明な変拍子とジェットコースターかの如くな怒涛の展開、インプロ、大量のエフェクターとタッピング、不協和音、歌も歌う!ってもうなんでもあり。Tr.11 Last Smile for Jaron を聴くと、音楽ってなんて自由で素敵なんだ、こんなに素晴らしいものと出会えてよかったと毎度多幸感に包まれる。
ここのギタリストに憧れて全く同じギターを入手し、今でも愛用している。
多分この先もずっと聴き続けるんだろうな。
こうやって振り返ることはなかったのでとても楽しかったなというのと、大体僕の転機には「音楽」と家族だったり友人だったり「人」がいるなあと。自分の人生、どこかで選択を間違えてしまったんじゃないか、と不安になることも多いけど、それなりには良い人生歩んでるなと思えました。
楽しかったです。機会くれたFREEZINE、ここまで読んでくれた皆さん、ありがとうございました。