BLOG
2022.03.08
現場主義インタビュー「mizuirono_inu」編集後記
文:Ape 題字:ケーゴバイドク
BLOG
2022.03.08
文:Ape 題字:ケーゴバイドク
FREEZINE運営メンバーのApeです。
先日、僕が担当しております「現場主義インタビュー」の第2弾として、mizuirono_inuのインタビュー記事を公開させていただきました。皆様、もう読んでいただけましたでしょうか?
記事を担当した本人の感想としましては、彼らの等身大の姿や本音をそこそこ上手く引き出せたと思いますし、バンド黎明期から現在に至るまでの歴史をある程度分かりやすく整理することも出来たと思いますので、仕上がりには大変満足しております。
また、カメラマンのゆうばひかりちゃんに撮影してもらった写真も非常に良くて、おかげで記事のクオリティがグッと上がったと思います。今回改めて彼女の凄さを思い知らされました。FREEZINEに掲載しているゆうばひかり インタビューをまだ読んでいない方は、この機会にぜひチェックしてください!
さて、mizuirono_inuと言えばリーダーのsashiは当サイトFREEZINEの編集長でもあります。傍から見れば自作自演で自身のバンドのインタビューなんか載せちゃって何やってんの。などと思う方もおられるかも知れません。しかし今回のインタビューは、そもそも僕が言い出して、オファーから取材・撮影まで通常のインタビューと同様の手順で行われたものでありますので、決してsashiの自作自演ということではありません。その辺り、あまり誤解を招きたくありませんでしたので念のため記載させていただきます。
では今回、何故僕がmizuirono_inuにインタビューをしたいと思ったのかというと、僕が単純に彼らのファンであり、より多くの方に彼らの存在を知って欲しかったからという当たり前の理由からです。
5~6年ぐらい前に初めて会った時に僕はすぐに彼らの音楽にやられて、僕が企画するイヴェントにmizuirono_inuを呼びまくって、意気投合して、プライベートで頻繁に飲んだりする仲になって、FREEZINEに誘われて、mizuirono_inuのサポートベースのオファーを受けて、その延長に、当たり前のように今回のインタビュー記事があります。
今回、この編集後記では僕とsashiの出会ったきっかけや、僕がFREEZINEに参画することになったきっかけなど、その辺りの歴史を掘り下げて整理していけたらと思っています。
2016年9月3日(土)に、越谷EASYGOINGSというライヴハウスで僕のバンドVery Apeはmizuirono_inuと初めて共演しました。
当時彼らは自分たちの出番以外はパチンコ屋にいるような舐め切ったバンドマンだったのですが、とりわけマトモな渡邊レインくんだけはVery Apeのことを予め調べてきてくれていたようで、チェックするべきバンドだと踏んで僕らのステージをちゃんと観てくれました。
当然、僕もマトモな人間なのでmizuirono_inuのことは事前に調べていました。彼らは、Very Apeと20年近い付き合いのDRUGONDRAGON(と名乗る前の西方龍)を自分たちの企画イヴェントに呼んだりしていたので、初共演の日を迎える前から一筋縄ではいかないバンドなのだろうという予想はある程度ついていました。
ライヴ当日、Very Apeの出番はmizuirono_inuのすぐ後だったので準備などがあり彼らのステージはチラチラっとしか観られなかったのですが、それでもヤバいバンドであるということは十分過ぎるぐらい分かりました。終演後、渡邊レインくんと色々話しをしたりTwitterを相互フォローしたりして、僕らはそこから徐々に交流を深めるようになっていきました。
なお、DRUGONDRAGONのインタビューもFREEZINEに掲載しておりますので、この機会にそちらも是非チェックお願いします!
2度目の機会はすぐに訪れました。
最初の対バンから4ヶ月ほど経った2017年1月22日(日)に、また越谷EASYGOINGSで共演することになったのです。こうして熱が冷める前に再会できたのも、後から考えると非常に運命的な何かを感じてしまったりしますが、この時は事前に渡邊レインくんがVery Apeのことを共有してくれていたからか、メンバー皆揃って僕らのステージを観てくれて、終演後にはsashiを中心に異様な馴れ馴れしさで僕らに絡んできて、イェーとか言いながら肩を組んできたりしました。まあ、その馴れ馴れしさのおかげで僕も彼らに遠慮する必要がなくなって、急激に距離を縮められたのかなと思います。
上の緑色の画像はこの時のイヴェントのフライヤーですが、そこに掲載されているTAPE&DRIVESというバンドには現在mizuirono_inuでドラムを叩いているアメリカが在籍しており、彼がその後mizuirono_inuに加入することになるとはこの時は誰も知らない訳で、こうして振り返ることで「あ、ここに伏線があったんだ」という気付きが色々とあって面白いです。
もう1枚の画像は初めてsashi&渡邊レインと一緒に撮った写真です。一緒に写っている女性は対バンの姉妹バンドNADSADの2人です。
ちなみにこの頃、僕はVery Apeとしても個人としてもほぼ毎月なにかしらのイヴェントを企画していたので、そこに怒涛のペースでmizuirono_inuを誘いまくりました。
僕は単純にmizuirono_inuが好きだったから誘っていたに過ぎませんが、彼らはこの時期に色んな場所で色んな人たちと一緒にライヴが出来たことをひとつのターニングポイントと捉えてくれているようで、今でもたまに過去を振り返ってエモくなっている時などに感謝の言葉を伝えてくれたりします。なんだかんだ義理堅いんですよ。フロントの2人、sashiと渡邊レインは田舎のヤンキーに近い属性ですから。
2017年2月24日(金)に、Very Apeとmizuirono_inuのメンバー全員揃って飲みに行きました。
ライヴの打ち上げでもなく、打ち合わせでもなく、ただ親睦を深めるためだけにメンバー全員の予定をしっかり合わせて2バンドでガッツリと。
僕は長いことバンドをやってますけど、こんな風にバンド同士が仲良くなることだけを目的とした飲みの席は初めてでした。それぐらい、この時のこの席は両バンドにとって必要なものだと直感的に皆が感じたのでしょう。これもまた運命だと思います。
この日は最終的に僕がtokosuくんに馬乗りになってVery Ape軍の勝利ということでお開きとなりました。この時まだ僕らが会うのは4回目でしたが、それでもこんな感じになっちゃうぐらい楽しい飲みの席だったということです。
そして、それ以降僕らはプライベートでちょくちょく飲みに行く仲になりました。飲みに行けば自ずとバンド以外の仕事や生活や人生のことなども語り合う訳で、そこでお互いのバンドマンとしての顔以外の部分も知ることとなり、僕らはただの仲の良いバンド友達からもう一歩踏み込んだ関係になっていくのです。
Very Apeのドラマーで僕の妻、清水 里華はFREEZINEに立ち上げ準備の段階から関わっています。
sashiは自身の周りにいるクリエイターやフリーランサーを、自分のできることで応援したいという想いからこのサイトを作ろうと考えたのだと僕は認識しております。FREEZINEがスタートするよりも前、一緒に飲んでいる時によく「世の中の格好良い不器用なクリエイターたちがもっと評価されて生きやすい世界になって欲しい」というような発言をしていましたので。
その想いを言語化したり、FREEZINEというサイト名を考案したり、デザインの大枠を作成したりインタビューをしたりと、sashiの頭の中にあったやりたいことを実際に手を動かして実現したのが清水 里華です。飲みながら色々話す中で、sashiは清水 里華の力が必要だと思ったのでしょう。で、実際彼女の協力によってFREEZINEは2017年9月7日(木)に満を持してスタートします。
ちなみに、その頃の僕はまだFREEZINEのメンバーではなかったので、その一連のやり取りを横で何となく見ていたり、取材後の打ち上げに呼び出されてお酒だけ飲みに行ったりするポジションでした。
それから次第に、WebマーケティングとかWeb制作のスキルが必要な場面では僕も相談に乗ったり、実際に作業をしたりと陰ながら協力するようになっていきました。しょっちゅう一緒に飲んでいたから課題は大体分かっていたし、僕が協力できることは何でもやるよというスタンスでしたので。
すると今度はコラムを書いてくれないかと依頼されたので、ハイ分かりましたとコラムの執筆もするようになり、そのうち取材後の打ち上げだけではなく取材自体にも駆り出されるようになり、もう自分の立場が何だかよく分からなくなりかけていた頃「バンドに加入する感覚でFREEZINEの正式メンバーになって欲しい」というような打診がsashiからあって、ハイ分かりましたと正式にFREEZINEの一員となりました。
そして現在、気が付けば明らかにFREEZINE運営メンバーの中で一番動いているのが僕という状況になってしまっているのですが、まあ取り敢えずその話は今回は置いておきましょう。
sashiが、格好良いけど割を食ってるクリエイターにスポットを当てたいと思ったように、僕も格好良いけどまだまだ知られていないバンドにスポットを当てたいという想いがありました。
僕はFREEZINEの地味な作業担当ということで、日々の記事作成に関する諸作業などを黙々とやっている訳だし、自分の好き勝手やらせてもらう企画があってもバチは当たらないだろうと思って始めたのが今回の「現場主義インタビュー」という企画です。
上に書いたように、僕は自分で企画したライヴイヴェントにmizuirono_inuを呼びまくった人物であり、ベース不在で困っていた彼らのためになればと思ってサポートベーシストのオファーを受けた人物であり、mizuirono_inuリーダーsashiがブチ立てたFREEZINEというドリームを一緒に叶えてやろうじゃないかと思って運営メンバーになった人物ですので、僕がFREEZINEというWebメディアの中でmizuirono_inuを取り上げるのはこれ、至極当然の話なのです。
FREEZINEやmizuirono_inuがもっと多くの人に知られて、愛されていくことは僕にとっても嬉しいことなのです。
Ape
戦慄のオルタナティヴロックバンドVery Apeのヴォーカル兼ベース。
mizuirono_inu、ロザンナ、バイドク等のバンドのサポートベースもたまに。
生業はECサイト運営、プリンタブルTシャツ卸売など。
AprilFool主宰。FREEZINE運営メンバー。