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2024.03.14

元祖パッション王決定戦2024〜過激で危ない音楽×お笑いライブ〜

文:Ape

FREEZINE運営メンバーのApeです。

僕は自身のバンドVery Apeでの活動以外に、サポートベーシストとしていくつかのバンドにも参加しており、その中の1つにバイドクというバンドがあります。
以前僕が当サイトFREEZINEで行った「現場主義インタビュー #0001 バイドク」を読んでいただければ何となく理解していただけるかと思いますが、バイドクというのは東京の地下ライヴハウスシーンで夜な夜な素っ裸の衝撃的なステージングを繰り広げて聴衆の度肝を抜きまくっている破天荒なパンクバンドです。

そんな、言わばキワモノであるバイドク宛に、2023年某日、一通のライヴ出演オファーが届きました。
メールの送り主は現在大学4年生で、今度の4月にエンタメ・芸能系の会社に就職することが決まっているとのことですが、その会社に入る前に一度自分で“刺激的でぶっ飛んだ内容のライヴイベント”を企画してみたいと思ったそうです。ちなみにあとで聞いて分かったことですが、これが彼の人生初企画とのこと。
メールを受け取ったバイドクは「なんだこれ、絶対おもしろいじゃん!出よーぜ!」ということで即決しました。メールの文面から並々ならぬ熱量を感じたからである。

バイドクと言えば、数々のバンドから共演NGを食らったり、ライヴハウスを出禁になったり、時に警察が駆け付けるプチ騒動を起こしたりと、まあまあ問題のあるバンドだ。
そんなバイドクを面識もない中、自身の大切な人生初企画に呼ぶ男とは一体どんな人物なのだろうか。もしかしたら挙動不審で話の通じないちょっとヤバい奴なんじゃないか、なんて妄想を膨らませていたところ、ある日のバイドクのライヴに本人が来場して、僕やメンバーに挨拶をしてくれたのだ。

「イベントにお誘いさせていただきました、雑賀(サイカ)です。」

ビックリするぐらい普通の大学生。好青年。いや、あくまでそれは余所行きの姿なのかも知れないが、ヤバい奴でないことはすぐに分かった。
それどころか、それ以降バイドクのライヴに欠かさず顔を出してはメンバーと交流し、来場客に直接フライヤーを配布し、告知用の動画を撮影するなど、模範的で気持ちの良いイベンターとしての振る舞いを続けていたのだ。
サポートメンバーの僕にも「どうやったら前売予約もっと増えますかね?」とか「今度、高校の前でフライヤー撒こうと思ってるんですよ」とかいろんな話や相談をしてくれて、実に熱心だなあと思うと同時に、もっと突っ込んで彼の話を聞いてみたいとも思うようになっていった。

ということで僕は雑賀くんと連絡先を交換し、文字ベースでのプチインタビューを実施してみることにしました。
恐らく普通の大学生であろう彼がなぜ“刺激的でぶっ飛んだ内容のライヴイベント”を企画するに至ったのか。なぜ企画する必要があったのか。そういったことを訊いてみようと思います。

Q:現在大学4年生で4月から社会人ということですが、就職をエンタメ系の企業に決めた理由は?
A: エンタメに人生を捧げる道を選んだ人を近くで応援したいという思いがあったからです。

Q:元々ライヴにはよく行く人だったんですか?
A: お笑いライヴにはよく行ってましたが、音楽ライヴはたまに大きなところに行く程度でした。

Q:自分でイベントを企画してみようと思ったきっかけとか、理由・動機などを教えてください。
A: 就職が決まって、時間を持て余して自堕落に過ごしていたある時、偶然観に行ったライヴで鈴木実貴子ズというバンドに出会ったんです。鈴木実貴子ズの全力の演奏、強いメッセージに自堕落な自分が怒られたような気になったのと、映像とか音源だけでは起きない感情の昂ぶりがライヴの現場では起きるんだということをその時に初めて知りました。それで、就職するまでの間にもっと多くのエンタメに触れる必要があると感じて様々なライヴの現場に行くようになりました。時には純粋な客は自分1人なのではないかというようなライヴなんかもあったりました。

Q:小さなライヴハウスの実情を知らない人は驚くかも知れませんが、お客さんが一桁しかいない日なんて普通にありますからね。
A:はい。そういった小さなところも含めて様々なライヴに通いながら「あの時の昂ぶりはなんだったのか」と考えたのですが、鈴木実貴子ズのライヴで感じたあの高揚は、アーティストから発せられるメッセージや感情やパワーに、自分の様々な感情が呼応して爆発していたんだと気づいたんです。「楽しい」「今死んでも良い」「自分を見ろ!」「曲を聞け!」みたいなアーティストの情熱が、自分の感情を大きく動かす。それがライヴの魅力の一つなんだと理解しました。
そうして日々ライヴに通って感情を昂らせているうちに、「自分も人に同じような瞬間を体験してもらいたい」「そんな瞬間を作り出すアーティストを応援したい」というような気持ちがぼんやりと浮かんでいったんです。

Q:なるほど。ライヴで得られる感情の昂ぶりをまだ知らない人に、知ってもらえるようなきっかけを作りたいと思ったんですね。
A: はい。実際、自分の友達に「最近よくライヴに行ってるんだよね」みたいな話をしたら「フェスとか大きなライヴには行ったことあるけど、大きな音で曲が聴けるだけだから家で音楽聴いてるだけで満足しちゃう」って言われて、やっぱりコレだって思ったんです。確かに以前の自分も、ライヴは知ってる音楽を生で聴ける場所ぐらいの認識でしたし、そう思っている人って少なくないと思うんです。それはまだ自分が受けたような衝撃とか魅力を知らないからで、きっかけさえあれば意識は変わると思ったんです。
面白い。楽しい。カッコ良い。怖い。悲しい。とか、とにかく色んな感情を強く刺激しまくることに特化したイベントで、もう普通のエンタメじゃ満足できないぐらいの衝撃を与えて感覚をぶっ壊せば、皆も自然とライヴに足を運ぶようになるのではないか。そのきっかけを自分が作るしかない。そう思って自分でライヴイベントを企画しようと決意したんです。

と、ここまで訊いて、僕は雑賀くんの意図とかやりたいことが大体分かりました。

彼は元々お笑いのライヴに通うなどエンタメに興味のある人物であり、きっとその流れで就職先もエンタメ業界に決めたのでしょう。でも、その時点ではまだぼんやりしていた自分の使命みたいなものが、スカスカのライヴハウスなどの実情も目の当たりにするうちに徐々に明確になっていったのだと思う。
彼は偶然観た鈴木実貴子ズのライヴに衝撃を受けて価値観が変わったが、同時に人はきっかけさえあれば考えや行動が変わるのだということも知ることとなった。そこで、現時点の自分がエンタメ業界に対して出来ることは何かと考えた結果がこのライヴイベントの企画であり、バイドクへのオファーだった。

良いものは良い。面白いものは面白い。それを生のライヴの現場で体験してもらえればきっと分かってもらえるはず。そんな純粋で当たり前の感覚を持った若者が来年からエンタメ業界に飛び込んでいくことが僕は嬉しいです。

さて、そんな雑賀くんが企画するイベントはいよいよ明日開催です。
詳細は下記の通り。リンク先のフォームから予約もできます。
ぜひ会場に遊びに来ていただいて、生の雑賀くんや僕と交流していただけたらと思います。
This is これが現場主義!

Ape

元祖パッション王決定戦2024〜過激で危ない音楽×お笑いライブ〜

【出演】
バイドク / 虹の黄昏 / 東京恋慕

【日程】
2024年3月15日(金)

【会場】
四谷OUTBREAK!

【開場 / 開演】
19:00 / 19:15

【前売 / 当日 / 20歳未満】
3,000円 / 3,500円 / 1,500円(各+1drink)

【概要】
お笑い、音楽ごちゃ混ぜで驚き、笑い、感動など一番お客さんのパッションを震わしたのは誰かを決めるライブです。あなたの投票によってパッション王が決まります。パッション王にはアンコールライブをしてもらいます。

パッション王決定戦ココが凄い!①
「パッション王によるアンコールライヴ」
3組のパフォーマンスの後、お客さんによる投票でパッション王が選ばれます。選ばれた組には、最後にもう一度登場してアンコールライヴをして頂きます。お客さんの投票次第でライヴの内容が変わる参加型ライヴです!

パッション王決定戦ココが凄い!②
「大食い王風投票」
このライヴでは投票を大食い王決定戦風に行います。(実況あり)
〜投票について〜
①投票前に皆様に寿司皿を1人2枚お配りします。
②投票したいアーティストの机の上に好きな数寿司皿を置く。
③一番寿司皿が高く積み上がったアーティストの優勝

予約フォーム

PROFILE

Ape(エイプ)

戦慄のオルタナティヴロックバンドVery Apeのヴォーカル。
バイドク、mizuirono_inu、ロザンナのサポートベーシスト。
東京の端っこの高尾という町に生息。
生業はECサイト運営、プリンタブルTシャツ卸売販売。
AprilFool主宰。FREEZINE運営メンバー。

Very Apeサイト

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