STUDY
2017.12.05
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2017.12.05
税制を構築する上で最も重要なテーマ、それは「公平」です。
税金はその負担が重いことよりも、公平でないことが人々の不満となるのです。
でも、公平って、いったいどうやって図ればいいのでしょう。
少し考えてみたいと思います。
ここにホールのケーキがあって、大人から子供まで10人に分けることにします。
さて、どのように分けることが真の公平と言えるのでしょうか?
まず思いつくのが、“全員等分に1/10ずつ分ける”ということ。
一見もっとも公平のように思えますが、様々な条件を考慮せず、「全員おんなじなら文句ないでしょ」という分け方も、よく考えると、強引のような気もします。
では、体の大きい大人は、体の小さい子供よりも多くの熱量が必要なのだから、大きさに応じて差をつける方がかえって公平なのではないか・・・。という考え方もあります。
でも何をもって「大きい」「小さい」を決めるべきか。
身長?体重?年齢?
みんなハッピーの理想を追い求めるのであれば、ケーキが嫌いな人は欲しくないのだから、ケーキが嫌いな人と好きな人に差をつけることの方が、誰の不満もなく公平といえるのではないか・・・。これも一理あります。
好きな人はたくさんもらえて、嫌いな人はもらわない。WIN-WINではありますが、みんなの調整役を誰がやりますか?本当に好きなのか嫌いなのか、真意を正確に把握することは可能でしょうか。
何を基準に、どこまでの範囲を考慮して、ケンカしないように分けるのかは、案外難しい問題です。悔し涙を流す人がいてはいけません。
さあ、これまでの話はケーキをもらえるというお得なお話。
ホールのケーキが国家予算だとすると、
ケーキをどう分配するかの議論は、国の運営費をどうみんなで負担しあうかという議論につながります。
国は国民の納税なしには成り立ちません。
国民と一言でいっても、一人一人状況も様々で、実にバラバラな個人の集まりです。
公平な「基準」を設けて、みんなを納得させなければならない。
ケーキを公平に分けるということですら、考えれば考えるほど深みにはまってしまうのだから、
税制を組み立てる作業となれば、それがどれほど気の遠くなるような作業で、
「公平」という概念が、議論しても議論しつくせない、いかに壮大なテーマであるのかが想像できます。
次回、ケーキの話を税に置き換え、
もう少し「公平」について考えてみたいと思います。
新卒でコンビニの店舗運営部に入社するも、ハードワークに将来を悩み転職。シンクタンクの財務経理部に入るも、単純作業に心が折れ退職。資格で生きることを思い立ち、経験を蓄積できて様々な方とお付き合いのできる税理士に魅力を感じて会計事務所に就職。
顧問先様の“心地よさ”を重視した節税提案をモットーとしています。隠れ目標は、大事なものを大切にしながら働くことを諦めない業界にすること!
趣味は登山(次注目する山は甲斐駒ヶ岳)、剣道(四段に向けて修行中!)、運転(気になる車はプジョー3008)です。