FEATURE

2023.01.17

山本昇平の人生の転機になった10の音楽

FREEZINEが選ぶ「人生の転機になった10の音楽」シリーズ。
第31弾は、バンドマンで三軒茶屋HEAVEN'S DOORブッキングマネージャーの山本昇平!

もしもその音楽と出会っていなければ、いまの自分はない。人は誰しもが、そんな人生の転機となった音楽を持っているもの。そこでこのコンテンツでは、各界のFREEZINEたちに、自分史上において転機となった10の音楽を選んでもらい、当時のエピソードと共に紹介していただきます。選ばれた音の並びから、人となりが見えてくる。

CHAGE&ASKA『Sons and Daughters~それより僕が伝えたいのは』

人生で初めて買ったCD。たしか小学校4年くらいだったかな?尊敬していた先輩がチャゲアスのファンだったからそれに流されて買ってみただけだけどめっちゃ聴きこんだ。そっからチャゲアスにはまったし、音楽にはまってしまった。俺の人生を狂わせた元凶と言っても過言ではない。しかし今考えても半端じゃないレベルのゴスペル歌謡。音楽の凄さとか良さみたいなのは意識してなかったけど、超高次元な音楽だと思う。ちなみに人生で初めて行ったライブもCHAGE&ASKAだった。

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GREEN DAY『Dookie』

中学1年の時に衝撃を受けたアルバム。先輩のお兄さんが留学から帰ってきて、アメリカで流行ってるバンドだって言って持ってきた。いわゆるバンドサウンドとの出会いだった。ノリと勢いの詰まったいい意味で粗削りな1枚。ここからバンドへの興味と関心が尽きなくなってしまう。

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Hi-STANDARD『GROWING UP』

GREEN DAYの日本ツアーで前座を務めていたHi-STANDARD。そこで無料配布していたGROWING UPのシングル。日本人でもこんな音楽が出来るんだ!?ってのが素直な感想。いい意味で邦楽的なメロディーと、洋楽的な勢いを持ち合わせて、甘酸っぱいメッセージが詰まった1枚に思春期の俺は釘付けになってしまった。ここから日本のパンクシーンにはまってしまう。

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JAMES BARNES『MUSIC BY JAMES BARNES』

俺の中学にはサッカー部がなく、仕方なしにブラスバンド部に入る事になった。正直、オーケストラの楽曲をいいとか思った事がなかったんだけど、JAMES BARNESにはピンときた。たぶん人生で初めてカッコいいと思えたインストCDだったと思う。キレのあるリズムとそれに乗っかる旋律が魅力的だったんだよね。はまって聴きこむって程じゃなかったけど、これを皮切りにインストも受け入れられるようになった。ちなみに俺のオススメは「アルバーマー序曲」と「アパラチアン序曲」。

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REACH『TRICHROMATIC』

高校生の頃は日本のメロコア、ハードコアにどっぷりだった訳なんだけど中でも異彩を放っていたのがREACHだった。特にこのアルバムは音楽性の幅が広くて、もはやメロコアの域ではないと思う。故に当時は批判の声も多かったけど、俺にとっては衝撃そのもの。海外レコーディングだった事もあって音質もずば抜けて高いし、ジャンルの枠なんてどうでもいいんだなって教えてくれた1枚。バンド単位で言えばドラマー柏倉隆史との出会いも衝撃的で、ここでファンになったおかげで後にtoeにも興味を持ったし、ポストロックへの関心を抱くきっかけはここから始まっていたと言っても間違いないと思う。自分の音楽性を更に広げてくれた名盤。

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envy『Angel's curse whispered in the edge of despair』

大学生の頃、それまで嵌っていたメロコアとかハードコアに飽き足らず更に新しい音楽を求めて色々聴き漁っていた俺が出会ったのがenvy。たしかちょっと名前を聞いた事があるだけだったんだけど、ディスクユニオンで売っていたから試しに買ってみた的な感じで買ったのがこのミニアルバムだったと思う。聴いてみてビックリ。今まで聴いてきたハードコアのアプローチを確かに含んでいるにも関わらず、明らかにオリジナリティーに富んでいたし、強烈な主張を感じずにはいられなかった記憶がある。ここからenvyについて深堀していってポストロックという単語を知ったし、エモーショナルな音楽シーンにも興味を持ったし、REACH同様に音楽性の幅を広げてくれたバンドに間違いない。ちなみにこのアルバムをきっかけにenvyを聴き始めたのでこれを選んだけど、envyの中で1番好きなアルバムは「a dead sinking story」である。

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AxCx『Everyone Should Be KILLED』

時系列でいくと順番を前後してしまうけど、たしか高校生時代に出会って衝撃的だったのがこのバンド。インターネットが今ほど充実していなかった当時、音楽の情報と言えばもっぱら雑誌で得るしかなく、俺はDOLLを毎月読んでいたんだけど、その中で紹介されていたんだったと思う。このバンドの何が衝撃的だったかって1枚のCDに300曲以上収録されている事だよ。トラック上は58トラックだけど、1トラックの中に何曲も入っているから実際は300曲以上らしい。聴いてみれば分かると思うけど、本当のところ何曲なのかなんてわからないし、なんなら最初から最後まで通して聴きたいとも思わないのが正直な話wwそれでも伝わってくるエネルギーは凄まじかったし、固定概念はつまらないと教えてくれた1枚ですね。

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Underworld『Born Slippy』

今でこそジャンルの隔てなくなんでも聴く人間になったけども、若い頃はあるあるの偏見に溢れていた俺は打ち込み音楽が好きになれなかった。そんな中で純粋にピンときた初めての音楽がこれだったと思う。(本当はTENSHIというトランスの曲が初めて好きになった曲だったんだけどアーティスト名も分かんないからそういう事にしておこう…)出会いのきっかけは何だったんだろう?覚えてないけど、ヒットした曲だったからスペースシャワーとかで流れてたのかな。生音じゃないとロックじゃないっていうよく分からない概念を壊してくれた音楽。

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遠藤ミチロウ『I,My,Me/AMAMI』

Very Apeのイベントに行って生で見た時にビックリしたのがミチロウさん。今回はフォークとの出会いという意味合いで選ばせてもらったんだけど、当時の俺は舐め腐っていたのでミチロウさんなんてもう過去の人でしょ?スターリンは終わったんだよ?くらいに思っていた。でもライブを見たら激ヤバでめっちゃ衝撃を受けたので即CD購入。その場でサインを書いてもらいつつ、配りに行っていた自分のフライヤーを渡してこういうバンドやってます!って話かけた。軽くあしらわれるかな?とか思ったけどめっちゃ腰の低い人でちゃんと会話してくれたのはいい思い出。当時の俺は誰かれ構わずライブに来てくれ!って言ってたけど、さすがにミチロウさんにはバンド名だけでも覚えてくれとしか言えなかったな…笑 フォークの持つパワーを教えてもらった1枚です。

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ヒーヒズヒムイズム『少女A』

これは番外編。どこまでナルシストなんだ!って感じだけど俺がやってたバンドのアルバムです笑 入ってる曲とかレコーディングエピソードとか、そういうのはどうでもいいんだけど、初めて全国流通させたCDだったから色んな経験が出来たんだよね。残念ながら「めっちゃ印税が入ってきた!」とか、「メジャーから声がかかった!」とか、そんな類の転機になった訳でもないのだけれど、経験に勝る財産はなしって事で自惚れピックアップ!!笑笑

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改めて「人生の転機になった10の音楽」を選んでみて。

人生の転機って言ったって中学時代から音楽を始めて、大した変化も無く付き合い続けてきちゃったもんだから劇的な転機なんて無かったように思える。それでも選ぶとしたらきっかけになった1枚かな?って事で、狭い音楽性だった幼少期から今の自分に至るまでを振り返って音楽性の幅を広げてくれたきっかけの10枚を選んでみたつもりです。そうなると好きなCDベスト10とも違ってくるし、人生の転機なんてそこら辺にいくらでも転がっているのかもしれないね。将来的にもし俺が総理大臣になる事があったら、記者会見で「人生の転機になった10の音楽を考えていたらそれが転機になって総理大臣にもなれると思ったからなった」と答えよう。

PROFILE

山本昇平

中学生からバンドを始め今に至る。
今までの主なバンド活動は、
ever/gain,ヒーヒズヒムイズム,楓,wmtb/和ヲ以テ尊ブ,ISTE(アイスクリームを捨てられたので)←今ここ
バンド活動と並行して三軒茶屋ヘブンスドアでブッキングマネージャーを担当。
日々のブッキング業務とは別にVery Apeのエイプ氏と共に「開花宣言」というイベントを不定期開催中。

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開花宣言