生涯にビール代としていくら使うのか

FREEZINE運営メンバーのApeです。

現在40歳。個人事業主。まあまあそれなりに仕事を一生懸命やっているつもりではあるのですが、お金が一向に貯まりません。何故なのだ。普段の自分の行動を改めて見つめ直してみたところ、完全にビールのせいであることが分かりました。

僕は仕事とは別にバンド活動もしており、月に大体5本～8本ぐらいのペースでライヴをしています。
自宅で晩酌をする際は価格とカロリーのバランスなどを鑑みて焼酎一択なのですが、ライヴハウスでは基本的にビールばかり飲んでいます。何故かというと、僕は外で飲む割り物のお酒を基本的に信用していないというのと、ビールはお金持ちから貧乏人まで大体同じような価格で同じような品質のものを飲むという、グレードや階級を感じさせない非常に平等なお酒であるし、何より旨いからというのが一番の理由です。
僕は自身のライヴの際には必ずビールを飲んでからステージに上がっています。下限を3杯、上限を7杯に設定し、基本的に酔った状態でパフォーマンスをしています。
昔はシラフで演奏していたこともありましたが、シラフだと上手にやろうという気持ちが前面に出過ぎて大胆かつアグレッシヴなパフォーマンスを引き出せなかったりするんです。僕にとってのバンドとは、絶叫、汗、熱量とかそういった暑苦しく泥臭いものなのですが、アルコールの力によってそれらをブーストすることが出来るのです。僕の場合は。
ライヴが終わった後ももちろんビールを飲みます。最終的に誰と何を話してどうやって自宅まで帰ったのか分からなくなるまで飲みます。それが僕にとってのバンド活動なのです。

皆さんはライヴハウスのビールの価格が大体どれぐらいかお分かりだろうか。
各店舗それぞれ色んな努力をしており、とても安い価格で提供しているお店も中にはありますが、大体600円というのが平均値ではなかろうか。最近は700円というライヴハウスも結構増えてきましたね。
僕は自分がライヴをする際、会場入りしてからハケるまでの間に最低でも10杯はビールを飲みます。もっと全然たくさん飲む日もありますが、最低でも1回のライヴで6,000円ビールに使っている計算になります。
上に書いた通り僕は毎月5本～8本、平均すると少なく見積もっても月に6本ライヴをやっていることになるので、1か月に3万6,000円ビールに使っていることになります。それを1年間続けるとビール代は43万2,000円になります。ここまで書いて自分でもちょっと引いてます。

僕は現在40歳ですが、20歳ぐらいからずっと精力的にライヴハウスに出演し続けているし、昔は客としてもしょっちゅうライヴハウスに入り浸っており、ずっとビールを飲み続けてきたので、一体これまでにライヴハウスでビールにいくら使ってきたのだろうか。まあこの際過去のことはもういいです。これから先、僕は一体いくらビールに使うのだろうか。

自分より10歳以上年上の諸先輩方でも現役で精力的に活動してらっしゃる方はとてもとても多く、それを見ると僕も多分あと10年は今のペースを保ってバンド活動を続けていくことが可能なのだと思います。10年続けるとビール代は432万円になり、それが20年になると864万円にもなってくる。さすがに頭がクラクラしてきた。そりゃあお金なんて貯まらないっすよ。当然の話である。これはあくまでライヴハウスで使うビール代だけの話であり、これ以外にも居酒屋などでも大量にビールを飲むのだから、僕のお金はほとんど口からアルコールを流し込んで頭パーになって最終的にトイレに排出するためだけに使われているようなものである。
人間が人間らしく生きるためにはどれだけ無駄なことをするかだ、というような話をどこかで聞いたことがあるような気がするが、まさにそれである。

先日「ライヴハウスとかバンド活動の未来」というタイトルで記事を書いた通り、僕にとってライヴハウスというものは無くてはならない存在だ。僕に出来るライヴハウスへの貢献は、ビールをたくさん飲んでライヴハウスにお金をなるべく落とすことなのかも知れない、と今回の記事を書きながら改めて思いました。

いつまでもビールを美味しく飲める健康な体を維持し、自分の事業でなるべくたくさんお金を稼ぎ、格好良い音楽を作り、それを格好良く演奏できるように地味な練習を積み重ね、一先ず還暦まではライヴハウスに必要とされる存在で居続けるということを目標に掲げ、864万円をビール代としてライヴハウスに落とし、いつまでも仲間たちとヘラヘラ笑いながらバンド活動を続けていく。それがきっと僕の進むべき道なのでしょう。

Ape